花屋やフラワーショップの内装工事を徹底解説!費用の相場や工事の流れは?
更新日:2024.01.23
花屋やフラワーショップの内装は、「花」という繊細な生きものを扱っている点で、他の小売り業とは一線を画するところがあります。
また、クリスマスや父の日、母の日などのイベントごとの際には、ラッピングやフラワーアレンジメントなどにも対応するので、臨機応変にレイアウトを変更する場面も多々あります。
そこで今回は、そういった独自の注意点が多いフラワーショップの内装工事についてお伝えしていきます。
フラワーショップの開業をされる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
花屋・フラワーショップの内装工事の費用相場とその理由
花屋・フラワーショップ開業の費用
花屋・フラワーショップ内装工事の流れ-準備から手続きまで-
花屋・フラワーショップ開業で持っていると有利な資格
花屋・フラワーショップの内装工事のポイント
人気のフラワーショップにするためには
デザイナー・施工業者の選び方
施工業者との価格交渉
花屋・フラワーショップの内装工事における資金調達方法
まとめ
花屋・フラワーショップの内装工事の費用相場とその理由
フラワーショップの内装にかかる費用は、平均的な額だと大体坪単価50万円くらいと言われております。
飲食店やアパレルショップなどは一坪10~15万円ほどからの相場感なので、他の小売り業と比べて高めの価格帯であることがわかります。
フラワーショップの内装工事の費用相場が高いのは、内装の環境を専門的な設備にして花に合わせる必要があるからです。
アパレルショップなどであれば、全店舗が退去した後のコンクリート打ちっぱなしの状態を、あえてそのまま活用するなどの節約のしかたもあります。
しかし、フラワーショップの場合はそうはいきません。仕入れた花を、健康的できれいに保つための設備が不可欠だからです。
花は人間のように生きています。
花にとってストレスのないの適切な環境が必要になり、花のための照明や空調、水道を用意しなくてはいけないのです。
その他、花屋に必要とされる最低限の具体的な設備は、下記の通りです。
冷蔵庫
フラワーショップの冷蔵庫には2種類の冷蔵庫があります。
それはフラワーキーパー(ディスプレイに使えるガラス張りのショーケースのようなもの)とストッカー(花のストックを保存する裏方の冷蔵庫)の2つです。
どちらも高額ですが、欠かすことはできない設備です。どうしても節約したい場合はリースや中古品などをおすすめします。ただし中古品に関してはフロンガス規制に注意しましょう。
棚・作業台
フラワーショップは、季節によって花のレイアウトを変化させる業態上、簡易的で可動性の良いの棚が必要です。
棚の高さはお客様の目線を意識しつつ、水回りの作業や、清掃もしやすい構造にしましょう。
また、作業台はフラワーアレンジメントやラッピング、一時的な商品の置き場所としも使います。そのため不自由なく使えるように、スペースが広めであることが必須です。
リボン棚
フラワーショップのお客様はプレゼントに買われるお客様がたくさんいらっしゃいます。そのためリボン用の棚も必要です。
作業台同様に広く取り、作業がしやすいようにしましょう。
花屋・フラワーショップ開業の費用
フラワーショップを開業する際の初期費用は、400万円~1000万円ほどと言われております。
かなり開きがある理由は、内装工事の坪単価が高いことと、お店の広さが10坪前後の小さなお店からあるからです。
お店を広くすると坪単価が高いので費用が跳ね上がっていきます。
初期費用の内訳としては下記の通りです。
- 物件取得費:100~300万円
- 内装工事費:100~400万円
- 什器代:10~150万円
- 車の購入費:0~200万円
- 広告宣伝費:10万円
それでは、それぞれ順を追って説明していきます。
物件取得費
物件を取得するための物件取得費は地域によって差はありますが、安定的な経営を目指すのであれば、家賃を売上目標の10%以下に抑えるのが無難です。
また、物件取得費には前家賃、礼金、保証金が含まれるので、物件を探す際には何ヶ月分の家賃を支払うのかを必ず確認しましょう。
内装費
フラワーショップの内装工事の際には、前述の設備の他にも以下の工事が必要です。
- 電気工事
- 水道工事
- 照明
- 塗装
- テント
- 看板
- 床の処理
店舗の大きさやどのような物件を借りるかにもよりますが、大体100~380万円は見積もっておきましょう。
什器代
什器の費用は20~80万ほどが相場です。
什器に関しては経費を削って安いものにしても花に直接影響はありません。しかしお店の雰囲気や清潔感に売上が影響することも、大いに考えられます。
物持ちが良くきれいなものであればランニングコスト削減にもつながるので、質の高い什器にこだわるのがおすすめです。
車の購入費用
配達や仕入れには車両が必要です。ワンボックスの軽自動車であれば中古の場合100万円以下に抑えることもできます。
また、中古車であってもここ10年くらいのワンボックスの軽自動車は、各メーカーで室内空間が広く設計されています。
よって軽自動車であってもお店の規模がよほどの大規模でなければ充分な使い勝手が期待できます。
予算や規模に応じて車を選ぶのがよいでしょう。
広告宣伝費
広告宣伝費も媒体や地域ごとに金額が変動しますが、こちらも物件購入費と同様に売上の10%以内に抑えることをおすすめします。
例えば、折り込みチラシやメルマガなどの場合、地域ごとの差を踏まえても一万部あたり、およそ8万円ほどです。
また、LINEやInstagramなどのSNSは無料で活用できる機能も多く、今の時代では効果的なので積極的に活用するべきでしょう。
特にInstagramの方は女性のユーザーが多いので、女性のお客様が多いフラワーショップに向いているSNSと言えます。
花屋・フラワーショップ内装工事の流れ-準備から手続きまで-
フラワーショップの開業費用と、その大きな割合を占める内装工事の費用の相場感がわかったところで、次は実際の内装工事の準備から手続きまでを解説していきます。
具体的には、下記の手順で進んでいきます。
- オープンする花屋のコンセプトと事業計画書策定
- 物件探し
- 開業費用の資金調達
- フラワーショップのオープンに必要な届出や許可申請
それでは順を追って説明していきます。
オープンする花屋のコンセプト設定と事業計画書策定
まずは
- お店の雰囲気
- ターゲットにしたい顧客層及びその利用シーン
- 提供するサービス
- 商品に付属する付加価値
などを具体的な言葉(コンセプト)として洗い出しましょう。
具体的なコンセプトが決まれば、次は事業計画を立てていきます。コンセプトの実現に必要な経費(開業資金、運転資金、家賃など)と毎月の売り上げ目標などを事業計画書に盛り込んでいきましょう。
見た目(外観および内装)が集客に影響を及ぼすので、明確なコンセプトをつくったうえで、花屋を経営することはマストです。設計したコンセプトを基に、無理のない事業計画書を策定していきましょう。
物件探し
コンセプト設定と事業計画書策定ができたら、両者が実現可能な賃貸物件を探します。
- ライバル店のフラワーショップの内装イメージ
- 出店地域のフラワーショップの店舗数
- 人気店の傾向分析
などを踏まえた上で、立地や物件の種類を絞っていきましょう。
ちなみにフラワーショップの物件選びでは、北向きの物件がおすすめです。なぜならば、物件の陽当たりが良すぎると、温度が上がって花が枯れるスピードが早まるからです。
開業費用の資金調達
自己資金では開業資金に届かない場合は、資金調達が必要です。
一般的な調達方法としては、日本政策金融公庫や民間の金融機関からの融資が選択肢として挙げられます。
特に、日本政策金融公庫からの融資の場合、初めて開業される方にとって融資のハードルが低く、借りやすいです。
その他にも、自治体の補助金や助成金制度なども活用できるケースもあるります。各制度の申請条件を役場などで確認してみましょう。
また最近では、オンラインでの事業計画を発表することで、賛同する人たちから開業資金を集める「クラウドファンディング」という仕組みを利用される方もいます。
資金の返済という形ではなく、お店のサービスや商品により賛同者に還元することができます。これができれば、オープン当初からすでにファンがいる状況になるので、やる価値は大いにあります。
ただし、クラウドファンディングを募る事業主はたくさんいて、必ずしも事業に対する強い賛同を得ることが確約できないので、確実な資金調達の方法とは言えないでしょう。
花屋・フラワーショップのオープンに必要な届出や許可申請
フラワーショップのを個人事業として開業する場合、所得税法に基づいて税務署へ開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を届け出なければなりません。
また、開業届と一緒に「青色申告承認申請書」の提出を行い、諸条件を満たすと、最大で65万円までの控除を受けられます。
使える権利はなるべく行使して、少しでも経済的に余裕がある経営を心がけましょう。
ちなみに提出する税務署は、基本的には自宅の住所を管轄する税務署になります。
同一の市区町村内でも管轄の税務署が異なるケースがあるので、不安な場合は国税庁のホームページを確認しましょう。
花屋・フラワーショップ開業で持っていると有利な資格
フラワーショップには「これが無ければ開業できない」という資格はありませんが、集客力アップ及び競合店との差別化につながるものや、経営すうえで役に立つ資格もあります。ここでは取得すると便利な資格を5つ紹介します。
フラワー装飾技能士
フラワー装飾技能士は、花の装飾に関する唯一の国家資格です。
都道府県職業能力開発協会の実施する試験に合格すると取得でき、1~3級まであります。実務経験の長さによって受験できる級位が変わるので、受験の際は注意しましょう。
尚、内容は実技試験と学科試験があり、両方に合格する必要があります。
取得するメリットとしては花束や、ブーケ、葬儀場の供花の制作などの幅広い分野での技術を持っているというステータスになります。
そのため、高い技術力を顧客にアピール可能で、なおかつフラワーアレンジメント教室の開催などにも役立つでしょう。
フラワーデザイナー資格
公益社団法人日本フラワーデザイナー協会が認定する花の装飾に関する資格です。日本フラワーデザイナー協会公認スクールに通って試験に合格することで取得できます。
こちらもフラワー装飾技能士と同様に1〜3級の級位があります。1級では知識と技術に加えて、さらに自分で考えて創り出す能力が問われるので難易度は高めです。
しかし一般的な認知度は高く、花を使った造形物や装飾の制作に関するデザイン力や企画力の証明になる資格なので、同業他社との差別化や集客には有効です。
カラーコーディネーター
花に関する資格ではないものの、カラーコーディネーターはフラワーショップの業務との親和性が高い資格です。
具体例としてフラワーアレンジメントや花束の制作、ラッピングなどをはじめとして、色彩の知識を活かす場面は無数にあります。
特に理論に基づいた花の組み合わせやラッピング選びは、フラワーショップにとって、リピーター獲得や品質向上につながるので重要な要素の1つです。
また、東京商工会議所が認定する資格であり、仕事に役立つ実践的な色彩の知識があることのステータスにもなります。
リテールマーケティング検定
安定した経営をするためには、経営や販売に役立つ資格を取得することも非常に有効と言えます。
「リテールマーケティング検定」は、以前まで「販売士」と呼ばれていた資格で、対象者は流通や小売業界の現場で働く人です。
効率良く商品の仕入や販売、物流などの管理をするための知識を習得できます。こちらも1~3級まであります。
また、5年ごとの更新が必要なので注意が必要です。
日商簿記検定
「日商簿記検定」はフラワーショップに限った資格ではありませんが、認知度で言えば他の4つより圧倒的に高い資格です。
会計や商業簿記に関する資格で、級位が初級~1級まであります。
最近では優秀な経理ソフトの導入をしているところも多いですが、簿記3級でも取得しておくと、適切な会計処理に活用することができるでしょう。
花屋・フラワーショップ内装工事のポイント
ここでは実際の花屋の内装工事の前の、事前準備と内装のポイントをご紹介します。
まず、花屋の内装を決める前段階としてリサーチ(市場調査)が大切です。理由は近隣の競合店と内外装が似てしまうと、新規の集客が困難だからです。
競合店との差別化を図り、新規の集客を増やすには、下記の項目のリサーチは必須になります。
- オープンする地域の競合の店舗数
- 上記の競合店の内装イメージ
- 人気店の傾向分析
- 競合店の主なターゲットと客層
- 競合店の価格と品揃え
次に内装のポイントとしては
- 店舗の内外装は統一感を持たせる
- 女性のお客様を意識して、明るく清潔感がある内装にする。
- 店舗の正面は花が外から見やすいようにガラス張りにする。
の3つは最低限意識する必要があります。
上記のポイントを参考に、ご自身のイメージを具体化し、依頼時には、そのイメージを内装業者に明確に伝えることが大切です。
また、人気のフラワーショップの内装に関する施策は次項で取り上げております。そちらも参考にしてください。
人気のフラワーショップにするためには
「花」という生きものを扱うため、人気のあるフラワーショップは必要なところにはコストをかけ、それがきれいに見えるように工夫をこらしています。
そこでここでは人気のフラワーショップが意識的に行っている内装のポイントをお伝えしていきます。
「花」という生きものを意識した設備
花の管理には、ある程度の設備投資はつきもの
フラワーショップの内装は、最低限のレジカウンターと商品陳列があれば問題ない小売りの店舗とは違います。「花」という生きものの管理にはある程度のコストをかける必要があります。
例えるなら「ペットに過酷な環境のペットショップ」は存在しないように、「花が枯れてでも設備を安くするフラワーショップ」も存在し得ることがありません。
それには、花を「健康的に」保存するフラワーキーパー(冷蔵ケース)や、大きくて作業しやすい作業台など、花と経営のどちらにとっても欠かせない大型什器が必要になります。
また、これらのレイアウトがお店の印象を決めるのです。
まず、レイアウトの施策として具体的に挙げられるのが、フラワーキーパーは花屋のディスプレイの主役として活用することです。
フラワーキーパーには花を保管する場所としての役割もありますが、ショーケースとしても活躍できます。
バックヤードに置いているお店も中にはありますが、せっかくの色とりどりのきれいで、生き生きとした花々をお客様に見せないのはもったいないです。
存分に花をアピールしていきましょう。
臨機応変なスペース確保をしやすいレイアウト
フラワーショップはクリスマスやバレンタイン、父の日、母の日などのかき入れ時のイベント時はもちろん、プレゼントなどのフラワーアレンジメントの提供は欠かせません。
また、このような短期決戦で販売する必要がある場合では、「切り花以外」の商品を提供していくこともあります。
このような際に、臨時ですぐにスペースを確保できる余裕があると、商品をディスプレイしやすいので、従業員の生産性が上がるだけでなくお客様も買い物がしやすいです。
予算の許す範囲で、スペースに余裕を持たせましょう。
花を引き立てる演出
フラワーショップの主役はなんといっても「花」です。
売れるフラワーショップは、花の見せ方のセンスに光るものがあります。
お客様が「あら、きれいなお花」と思ってから、そのまま素通りさせない「魅力ある見せ方」をしています。
同じ種類の花をあえて大量にディスプレイしたり、人気のあるレアな品種の花や、季節のシンボルになる花をいち早く取り入れたりと、やり方はいくらでもあります。
海外の花屋の写真や、競合店などを参考に研究してみましょう。
特にフラワーショップの内装において、ある程度の物量は必要です。
仕入れと販売チャネル開拓の工夫による物量の確保。もしくは花の少なさを感じさせないディスプレイが重要になります。
「花屋らしい」レイアウトのポイント
おしゃれな内装やレイアウトは、花の魅力を引き立てるために重要な役割を担っています。
内装に関して言えば、例えば照明1つとっても、花の色がくすまないような明るさや色の選択が必要です。
また、壁紙は落ち着きのある色柄の選択がマストです。壁紙が明るすぎる色にしてしまうと、こちらもせっかくの花の美しさがくすんでしまう可能性があります。
繰り返しになりますが、「主役は花」であることを念頭にレイアウトをしていきましょう。
レイアウトについては、作業場としてのバックヤードを十分に確保することが重要になります。
非日常的な空気感が不可欠なフラワーショップの内装には、店内からなるべく「生活感」や「乱雑さ」を取り除く必要があります。
そのためには、機能的なバックヤードがどうしても不可欠です。売り場には、「花」以外の存在を感じさせないくらいをこころがけましょう。
デザイナー・施工業者の選び方
クリニックや飲食店などが専門の内装デザイナーはいますが、実は花屋専門の内装デザイナーは存在しません。そのため適切な情報の収集は困難です。
お客様にやすらぎの場を提供する点では、エステサロンや美容院の内装が近いので、アドバイスを仰ぐのもいいかもしれません。
また、施工業者の選び方についてですが、基本的にはフラワーショップの内装工事経験がある複数の業者に、合い見積もりをとることが重要です。
理由は経験のある業者に依頼することで、工事の勝手がわかっていたり、その店舗の業態に適したアドバイスがもらえる可能性が高いからです。
また、合い見積もりを複数の業者に頼むことで料金の相場感がわかります。
業者によっては、相場よりも高い値段を掲示してくることもあり得ます。こういった場合に、開業が初めての方のだとそれに気付くことは難しいでしょう。
しかし複数の業者に見積もりをしていれば、業者間の価格の差を比較できます。
これにより、素人でも料金の相場が判断できるので、良い業者選びにつながります。
施工業者との価格交渉
施工業者を決めたら、その業者とのみ内装費用の価格交渉してみましょう。
価格交渉に抵抗感がある人もいるかもしれませんが、実は内装業者にとっても価格交渉は当たり前のことです。
そのため必要なことはどんどん相談して、スムーズに打ち合わせを行っていきましょう。
ただし闇雲に「下げられませんか?」という要求と他の業者の見積書を見せるのはNGです。
なぜなら「よそではこんなに安いんだから、あなたもできるでしょ?」といった値引き交渉をして、気持ちが良い業者はまずいません。
内装業者はこれから長く付き合うパートナーであり、それと同時に1人の人間です。
相手に嫌な思いをさせて、向こうに「この人のお店の工事はやりたくないな」と思われれば、信頼関係にヒビが入り、最悪の場合、良心的な業者を逃してしまうかもしれません。
まずは、相手に好印象を与えることを心がけましょう。
そのためには、内装費用をこの金額でおさめたいということを、先に伝えるのがおすすめです。
今までの他の業者の相場感との差を感じたら、内訳について質問してみましょう。
ここでしっかりと説明をしてくれる業者を選び、そうでない業者の場合は、手間ですが再度、業者選び直す必要があります。
妥協せずに信頼できる業者さんに頼んで、後悔の無い選択をしましょう。
花屋・フラワーショップの内装工事における資金調達方法
花屋やフラワーショップの内装工事では、1坪おおよそ50万円程度の費用が発生します。
物件の取得費用などを含まれると1000万円近い金額がかかることもあるでしょう。
「新たにフラワーショップを開業したい!」と考えていても、資金面の問題から実施できないという方も少なくないでしょう。
資金不足に悩む方や、開業後の資金にゆとりを持ちたいという方は、一度公庫や民間の金融機関からの融資をご検討ください。
条件に該当すれば、補助金による支援を受けることも可能です。
ここからは、花屋やフラワーショップの開業における資金調達方法を紹介していきます。
公庫からの融資
開業にあたって融資を受ける際には、まず最初に公庫からの融資を検討してみましょう。
公庫とは、国が100%出資することによって運営している、2008年に開設された公的金融機関です。
公庫からの融資は、民間の金融機関と比較すると審査が通りやすいというメリットがあります。
金利も銀行より低くなる傾向がるため、初めての開業では公庫からの融資がオススメです。
注意点として、公庫からの融資は民間の金融機関よりも通りやすいとはいえ、必ず受けられるわけではありません。
公庫からの融資は、国民の税金によって賄われています。
返済ができる可能性が低い相手に対しては、闇雲に融資を行うわけにはいかないでしょう。
公庫の融資を通過するためには、何よりも創業者の信頼性や熱意が大切です。
具体的な事業計画を設けるなどをして、信用性を高めるように工夫しましょう。
たとえば、想定される利益をもとに、融資額の返済スケジュールが計画書に記載されていれば信用性を高めることが可能です。
資金の使い道がはっきりとしていることも、相手からの心象を良くするポイントです。
経営に活かせる過去の経験をアピールすることも有効な手段でしょう。
民間の金融機関からの融資
融資を受けられる機関は、公庫だけではありません。
民間の金融機関でも、審査を通過することによって融資を受けることができます。
民間の金融機関は、大手の銀行であれば各地域に支店が設けられているため、相談に訪れやすいというメリットがあります。
ただし、民間の金融機関は公庫よりも審査が厳しく、容易に融資を受けることができません。
初めての開業を行う場合は信用性が低いと思われてしまうため、融資を受けられる可能性はかなり低いでしょう。
もしも初めての開業で民間金融機関から融資を受けたい場合は、信用保証協会に公的な保証人になってもらうという方法があります。
信用保証協会とは、小規模事業者や中小企業の融資をサポートするために設けられた公的機関です。
公的な保証人がいることによって、初めて開業を行う場合でも融資を受けやすくなります。
民間の金融機関からの融資を希望している方は、一度利用を検討しても良いでしょう。
補助金の活用
フラワーショップの開業では、要項を満たすことによって申請できる補助金があります。
開業をする際には、自身が条件を満たしているのか一度確認してみることをおすすめします。
補助率や上限額は募集する年度によって変動することもあるので、ホームページをチェックしておきましょう。
ここからは、フラワーショップの開業で利用できる補助金の例を2つ紹介します。
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業再構築補助金
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓をサポートするために設けられた補助金です。
小規模事業者の基準には従業員数が関わっており、フラワーショップの場合は5人以下であれば該当します。
対象の経費はパンフレット作成といった広告費や、必要設備の導入費用などが挙げられます。
内装工事においては、店舗の改装費用として申請することが可能です。
また、小規模事業者持続化補助金には、通常枠や賃金引き上げ枠などがあり、それぞれ補助率や上限額などが異なります。
通常枠の場合、補助率は対象経費の3分の2となっており、上限額は50万円です。
業務改善補助金
業務改善補助金とは、小規模事業者や中小企業の業務改善を目的とした設備導入を支援する補助金です。
業務の効率化をサポートすることによって、従業員の最低賃金引き上げを目的としています。
補助の上限額は従業員数や引き上げた賃金によって異なり、最大で600万円の支援を受けることができます。
参考:厚生労働省 業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援
まとめ
今回はフラワーショップをオープンさせるにあたって内装工事についての、いろいろなポイントを解説いたしました。
フラワーショップは他の小売り業と違って、「花」という生きものを扱う業種です。そのため必要なところにはコストをかけて、花が生き生きしていることを際立たせる演出が必要です。
本記事をフラワーショップのオープンの参考にして頂ければ幸いです。