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レトロカフェの内装工事とデザインのポイント! 夢を形にする内装デザインと費用の知識

更新日:2024.02.28

最近はやりのレトロカフェの開業、憧れますよね。

どこか懐かしい魅力的な空間で、コーヒーの香りに包まれながら、ゆったりとした時間を過ごす……そんなレトロカフェ開業の夢を実現するためには、どんなデザインが良いのか、内装にいくらくらいかかるのか、気になるポイントがたくさんありますよね。

 ここでは、レトロ感溢れるカフェを作るためのデザインのコツから、開業に向けた内装工事の費用の目安まで、開業に役立つ情報を分かりやすくお伝えします。

 

レトロカフェの魅力

 

レトロカフェの特徴

2016年の流行語大賞にも選ばれた「エモい」なんて言葉。

時折今も耳にすることがありますが、そんな声が良く聞こえてくるのが「レトロカフェ」です。大正昭和の香りを残したノスタルジックな雰囲気に、近年では若年層からも「エモかわいい」と支持を受け、人気に拍車をかけています。

 

現代の「カフェ」とは異なり、どちらかというと「純喫茶」的な要素が強いのが特徴です。

気取ったおしゃれさのないどこか落ち着く空間は「エモかわいい」を求めた若者だけでなく、年配の方にも憩いの場として受け入れられているのが特徴です。

 

レトロカフェの種類

 

そんな今ときめくレトロカフェ。開業したいと考えられている方も多いのではないでしょうか?

どんなカフェを開業するかの参考に、まずはレトロカフェの種類から見いていきましょう。

 

・大正レトロ

和洋折衷なハイカラなデザインが特徴です。

日本らしさをどこか感じる落ち着いた店内に、シャンデリアや重厚感のあるソファー・テーブルなど、華やかな印象を与える洋物のインテリアが多く見られます。

 

・昭和レトロ

昭和レトロなカフェには2種類あります。

1つは昭和の時代のポップカルチャーを主に取り入れた昭和レトロカフェ。

明るく鮮やかな色使いや、ユニークで個性的なデザインが特徴です。現代社会にはないアナログ性が垣間見える家電などがかわいらしさを感じさせます。

 

もう1つがレトロモダンスタイル。

大正レトロっぽさを残しつつ、大正レトロよりはシンプルに抑えた落ちつきのある空間が特徴です。カウンター席が設けられていることも多く、1人でも気兼ねなく利用できる居心地の良さがあります。

 

・アメリカンレトロ

レトロと言っても日本のレトロだけではありません。

アメリカンレトロはカラフルでにぎやかなポップスタイルなのが特徴です。いわゆるアメリカンダイナーと同じです。1つ1つのアイテムが個性的で楽しい空間にすることができます。

 

コンセプトを決めよう!

 

ターゲットの選定

カフェの開業前に重要なのがターゲットとコンセプトの決定です。コンセプトを決めるにはまずターゲットを定めておくとやりやすいでしょう。

レトロカフェブームが来ている今、特に若い世代の女性陣から絶大な人気を集めています。

 

レトロカフェならではのノスタルジックな雰囲気を全面に出せるような、SNS映えする内装やメニューを提供することで、この顧客層を引き付けることができます。

た、サブカルチャーに興味がある人々も重要なターゲットになるでしょう。

 

コーヒーを楽しんだり、ゆったりとした時間を過ごしたり、親しい人との談笑の場を目的とした利用の年配の方もターゲットになります。静かに仕事をしたい会社員をターゲットとすることもできたり、ターゲットにできる層は多岐に渡るでしょう。

 

コンセプトの決定

ある程度、ターゲットとしたい年齢層が決まればコンセプトを決定させましょう。

若い方に向けたコンセプトであれば「SNS映えする空間」、「非日常空間の演出」などが良いでしょう。

逆に年配の方に向けたレトロカフェにしたいと考えるのであれば、大正レトロ風や昭和のレトロモダン風を軸とした「落ち着いた空間」を目指すようにしましょう。また、年配の方の中には若年層のSNS映えを目的としたカフェ利用による騒がしい空間ではなく、静かな空間を望んで来られる方もいらっしゃいます。潜在的に興味を持ちそうなターゲット層に対し、ターゲットに求める独特な体験を提供することが大切です。

 

立地・物件の探し方

・立地

立地を決める際には、ターゲットとする顧客層が日常的に利用するエリアや、商業施設や文化施設の近くを選ぶことが重要です。

例えば、年配の顧客層をターゲットにする場合は、住宅地の近くや、アクセスの良い市街地が適しています。場合によっては、カフェのコンセプトや雰囲気に合致した地域性を持つ場所を選ぶことも大切です。レトロカフェの場合、歴史的な建造物が多い地区や、文化的な背景が感じられるエリアが適していることが多いでしょう。

若年層をターゲットにした場合には、大学や専門学校の近く、交通の便が良いエリアに開業するのがいいかもしれません。若年層のカフェ利用としては友人との利用が多いため、人の動線を特に意識した立地が適しているでしょう。

ここで1点、注意しておきたい点があります。周辺に同じようなコンセプトのライバル店となりうる店がないかということです。せっかく開業したのにライバル店に集客をとられてしまっては残念ですよね。予め周辺の店についてリサーチしたうえで立地の確定を行うようにしましょう。

 

・物件

レトロカフェは比較的どのような広さであっても開業できることから立地や物件の選択肢は多く持つことができるでしょう。

せっかく初めての開業になるなら、自分の理想に近いカフェの形にしたいですよね。とはいえ、今後の運営資金のことも踏まえると物件の予算も気になるところ。

物件購入の際には、居抜き物件にするかスケルトン物件にするかの選び方が重要です。

 

スケルトン物件

スケルトン物件とは、内装が一切施されていない状態の物件のことを指します。

壁や床、天井が基礎的な構造のみであり、照明やエアコンなどの設備も備え付けられていません。テナントが自由に内装を設計し、必要な設備を新たに導入することができるため、自分の理想の空間を作り出すことができます。

ただし、内装工事の際に費用が大きくかかってしまうことには注意が必要です。

 

居抜き物件

「居抜き物件」とは、その物件を使っていた前の業者が、内装や設備機器などを置いたまま売りに出したり、貸しに出したりする物件を言います。
飲食店だけでなく、オフィスなどでも話題の物件のスタイルです。

スケルトン物件とは異なり、あるモノを使っていくことになります。
厨房の広さや形状、厨房機器などがあなたの商品に適したものなのかをよく検討しなければいけないのが注意点ですが、その分スケルトン物件に比較して内装工事費用を抑えられ、場合によってはすぐに開業ができることがポイントです。

 

・物件取得費 

物件取得費は、家賃の約8か月分が目安です。

物件取得費用には初月家賃・敷金・礼金・仲介手数料・保証金などが含まれます。家賃ベースで算定されることが多いため、開業する地域や店舗面積によって大きく異なるのがポイントです。

家賃はランニングコストにも直結するので、開業する地域の家賃相場を必ずリサーチしてから事業計画を立てるようにしましょう。

 

インテリア選びのコツ

 

ここでは昭和モダンレトロ、大正レトロ風のカフェに焦点を当ててインテリアのコツについてご紹介していきます。

 

色の使い方

レトロなカフェをつくるとき、どんな色を選ぶかはとても大切です。

昭和モダンレトロなカフェは全体的にブラウンで統一された落ち着いた空間であることが多いです。

壁にはレンガやタイルを使っていることが多く、赤茶っぽい色や壁紙の場合にはベージュやアイボリーなどの明るすぎない色が選ばれます。ダマスク模様が使われることもしばしばです。壁絵や床と言った面積の大部分を占める箇所だけでなく、インテリア自体もブラウン系の色で統一されています。アクセントとして赤やオレンジのような暖色を差すと、温かみのある空間を演出することができるでしょう。 

 

一方大正レトロなカフェは、ブラウンをベースにくすみカラーを合わせます。色自体は和風らしい深みのある色であれば何を使っても良いですが、華美になりすぎてしまったり、うるさい印象を与えないように気を付けましょう。インテリア類にダークカラーをうまく取り入れることで、より深みと落ち着きのある空間を作り出し、大正時代の上品で落ち着いた雰囲気を再現できます。

 

いずれにも言えることですが、木のテーブルや椅子など、自然の素材の色を生かした家具を使うと、自然にレトロな雰囲気が出ます。これらの素材は時間が経つにつれて、さらに味わい深くなるためぜひ取り入れることをおすすめします

色を選ぶときは、カフェで過ごす人が心地良く感じるように、全体のバランスを考えて選ぶことが大切です。色1つで、カフェの雰囲気は大きく変わりますから、じっくりと考えて選びましょう。

 

 インテリアの選び方

昭和レトロ風では、木製のシンプルな家具を基調に、曲線を描くレトロな椅子やテーブルを配置し、暖色系の照明で温かみのある雰囲気を演出します。

当時のジュークボックスやレコードプレイヤーのようなものがあってもいいでしょう。

植物や自然素材を用いた装飾品で、カフェに生命感と親しみやすさをもたらし、訪れる人々に心地よい時間を提供します。

 

大正レトロ風カフェでは、和洋折衷のデザインが特徴です。

大正レトロ風カフェのインテリアは、大正時代のロマンチックな雰囲気を残しつつ洋風の上品なインテリアを組み合わせて空間作りをします。

 

深みのある木の色を基調とし、繊細な装飾が施された家具を選びます。

照明には、レトロ感のあるペンダントライトやアンティークランプを使い、柔らかい光で空間に奥行きと暖かさを与えます。自然光を取り込んで開放的に空間を演出するのも良いでしょう。

また、店内に和の小物や文芸作品を置くことで、文化的な深みをプラスするのも良いかもしれません。

 

照明

 

レトロカフェの照明選びでは、空間に温かみと歴史のある雰囲気を加えることが鍵です。

例えば、エジソン電球やアンティーク風のランプは、柔らかい光でレトロなムードを演出し、カフェの特色を際立たせます。オレンジ色に近い「電球色」の明かりを選ぶのが良いでしょう。また、壁掛けの照明や天井から吊るすシャンデリアタイプなど、時代を感じさせるデザインの照明器具を選ぶことも大切です。間接照明を活用して、壁面や棚を照らすことで、陰影をつけて空間に奥行きを持たせることができます。

照明の配置にも工夫を凝らし、読書や会話を楽しむコーナーには、趣のあるスタンドライトを設置するなど、機能とデザインのバランスを考えましょう。

大正レトロは和洋折衷であるため、シャンデリアのような装飾の華美なものを使っても問題ありませんが、昭和のモダンレトロスタイルであれば華美になりすぎないように注意しましょう。

 知っておきたい内装工事費用


カフェを開業する際、内装はお店の顔とも言える重要な部分です。

魅力的な空間を作るためには、計画的に内装工事を進める必要があります。それでは、内装工事にかかる費用の概要と、費用を抑えつつ理想のカフェ空間を実現するためのポイントを見ていきましょう。

 

費用の把握

一般的にカフェを開業する際の内装工事費用としては1坪当たり20~40万とされています。

あくまで目安の費用にはなりますが、もっと内装にこだわりたい!などの要望があった場合にはさらにこの金額を上回ることも考えられます。

 

費用を抑えるためのポイント

 

居抜き物件の利用する

居抜き物件のデザインはとても難易度が高く、建築基準法や消防法に関する専門的な知識が物件選びの段階から必要です。

また、居抜き物件を利用することによる費用削減効果の把握も難しいため、事業計画も難易度も上がります。居抜き物件の利用を検討する場合は、専門的な知識をもったデザイナーや内装工事業者に早い段階で相談してみてください。

 

中古の厨房設備や什器を利用する

中古の厨房設備・什器を利用することで、費用を抑えられます。

厨房設備は、中古で購入する、レンタル品を利用するなどの方法で費用を抑えられます。その際のデメリットは製品の状態にバラツキがあることです。中古で購入した設備が開業後すぐに故障してしまうと、費用がかさむだけでなく、運営にも支障をきたすため、中古の厨房設備はしっかりと状態を確認したうえで利用しましょう。

テーブルやイスなどの什器も中古品を利用できます。また、コンセプトを表現するポイントとなる装飾を自分で集めることで、費用を抑えるだけでなく、こだわりのある空間を演出できます。絵画などの美術品・植物を飾る容器・展示用のワインのビンやラベル・照明器具などです。趣向を凝らせばお客様も喜ぶ部分なので、魅力的なバーのためにも用意してみてください。

 

見えない箇所は節約する

見えない箇所は節約し、メリハリのある内装デザインとしましょう。

バーには厨房や倉庫などのお客様に見えない箇所があります。これらの内装を節約してデザインすることも内装工事費用を抑えるポイントです。機能を損なってしまうと運営に支障をきたすので、必要な機能は確保したうえで節約するようにしましょう。以下に具体例をご紹介しますので、デザイナーや内装工事業者に相談しながら、費用と機能のバランスを意識して取り入れてみてください。

 

 資金調達方法

公庫からの融資

経営者は開業時に公庫から融資を受けられます。

公庫とは、2008年に設立された、国が100%出資して運営している公的な金融機関です。開業時に多くの経営者は公庫からの融資によって資金を調達しています。

公庫からの融資は、他の金融機関と比較して審査が通過しやすいのが特徴です。金利が民間の銀行と比較して低い傾向であることもメリットです。

 

補助金・助成金の活用

要項を満たすことで開業時に申請できる補助金や助成金があります。

主な補助金及び助成金は、業務改善補助金・小規模事業者持続化補助金・事業再構築補助金・受動喫煙防止対策助成金の4つです。それぞれについて解説いたします。

 

業務改善補助金

業務改善補助金とは、小規模事業者や中小企業の業務改善をサポートしている補助金です。生産性を向上させることによって、従業員の最低賃金を引き上げることを目的としています。補助の対象は、人材育成にかかる人件費や、管理システムの導入費などが該当します。補助上限額は30~600万円で、従業員数や引き上げ賃金によって異なります。

内装工事を行う際には、業務の効率化を目的として自動食洗機を導入する、などの理由により申請可能でしょう。

参考:厚生労働省 業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援

 

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓及び生産性向上を支援するために設けられた補助金です。バーは商業に該当し、常時使用する従業員が5名以下の場合に申請できます。通常枠の場合、補助率は対象経費の3分の2、上限額は50万円です。

参考:商工会議所地区 令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(一般型)

 

事業再構築補助金

事業再構築助成金とは、新型コロナウイルスの感染拡大によって売上が低下した事業者を支援するために設けられた補助金です。コロナ禍に対応することを目的として、新たな事業を立ち上げる場合に申請できます。従業員20名以下の中小企業が通常枠で申請した場合、100~2,000万円の支援を受けられます。

飲食店テナントとして貸し出していた物件の事業主がコロナ禍により撤退してしまい、その物件に自らバーを開業する場合などに申請できます。

参考:中小企業庁 事業再構築補助金

 

受動喫煙防止対策助成金

受動喫煙防止対策助成金とは、受動喫煙の防止対策を行う際に、専用の設備を導入する費用を助成するものです。喫煙所を設ける際には確認してみてください。飲食店の場合、助成率は対象経費の3分の2、補助上限額は100万円です。

参考:厚生労働省 受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)

 

 内装工事での注意点

 

レトロカフェを開業する際には、以下の3点に注意しておきましょう。

 

居抜き物件を利用するなら設備の確認を怠らずに

開業後の資金も残しておこう

見積もりは複数の業者から取ろう

 

居抜き物件を利用するなら設備の確認を怠らずに

居抜き物件を利用する際には、物件の状態を必ずチェックしておきましょう。

居抜き物件には、テナントで使用されていた設備などを使用できるというメリットがあります。
しかし、残されている設備が老朽化していた場合には、新たにメンテナンスをしなければいけないケースもあります。

物件の状態によっては、想定していたよりも内装工事の費用が抑えられないことも考えられます。
内装工事の費用を抑えたいと考えている方は、物件の状態を意識しておきましょう。

 

開業後の資金も残しておこう

内装工事を行う際には、開業後の資金を残しておくことも大切です。

カフェを開業した後には、人件費や家賃、食材の発注コストなどが発生します。
内装工事に費用を使いすぎてしまうと、開業後の経営を圧迫してしまうことも考えられます。
経営を難なく行うためにも、開業後には月々どれくらいの費用がかかるのかを計算しておきましょう。

また、開業後にはおおよそ3ヶ月分のランニングコストを残しておくことが良いとされています。

 

 見積もりは複数の業者から取ろう

内装工事を業者に依頼する際には、可能であれば複数の業者から見積もりを取りましょう。

見積もりを1社のみにお願いしていた場合、工事内容に対して費用が適切であるか把握するのは困難です。
反対に、複数社からもらった見積もりを比較すれば、相場観を適切に把握することが可能です。

また、内装工事にかかる期間は、業者のスケジュールによっても大きく異なります。
見積もりを複数社からとれば、希望している時期に工事ができる業者に出会える可能性は高まるでしょう。

内装工事をする際には、2~3社程度から見積もりを取り比較検討してみることをオススメします。

 

 まとめ

 

 今回は、そんな夢を実現するための内装のコツや、どれくらいの費用がかかるかについて話しました。大切なのは、ターゲットのことを考えて好きなスタイルを表現しつつ、心地良く過ごせる空間を作ること。

内装工事もその大切な一歩です。予算をしっかりと管理しながら、レトロな魅力が光る家具や照明を選び、カフェにぴったりの内装を計画しましょう。

 また、内装工事を依頼する業者が決まっていないという方は、内装広場までお気軽にご相談ください。

内装広場では、豊富な実績を持つ工事会社の中から、お客様の希望に合わせた業者をご紹介します。