おしゃれバー作りの秘密!内装で魅せるためのポイント解説
更新日:2024.02.29
お酒が好きだからいつか自分のバーを持ちたい……そんなこと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
おしゃれなバーを開業したい、でも、実際にどう始めればいいのか、特に内装デザインに関しては分からないことも多いはずです。
この記事では、そんな夢を叶えるための第一歩として、内装デザインの観点から、おしゃれなバー作りのコツをわかりやすく解説していきます。
おしゃれなバーの内装の重要性
「バー」と「バル」の違いとは?
英語表記だと綴りも同じ「Bar」のバーとバル。この2つは、似ているようでいて、それぞれに特徴があります。ここではその違いを見ていきましょう。
バー
今回の記事で取り上げているバーは、おしゃれで落ち着いた雰囲気の場所で、種類豊富なドリンクが楽しめるところです。
カクテルやビール、ワインなど、多彩な選択肢があり、専門のバーテンダーがいてくれるので、自分好みの飲み物を見つけることができるお酒に特化した飲食店になっています。落ちついた空間を売りにしているバーも多く、リラックスしたい時や大切な人と特別な時間を過ごしたい時にぴったりです。あくまでメインはお酒なため、ほとんどのバーの形態では食事はおつまみや軽食が提供されることが多いです。
バル
バルは、もともとスペイン発祥のお店で、ドリンクと一緒に様々な小皿料理を楽しむことができます。
バルの特徴は、そのカジュアルな雰囲気。立ち飲みスタイルやカウンターで気軽に楽しめるので、友達とワイワイしたい時や、ちょっとした食事を楽しみたい時に最適です。バーとの大きな違いはバーが夜のみの営業に対し、バルでは昼夜問わず様々な時間帯でそのタイミングに応じた物の提供をして営業をしていることです。
簡単に言うと、バーは「ドリンクを楽しみたい時」に、バルは「食事とドリンクの両方を気軽に楽しみたい時」に選ばれることが多いです。
おしゃれなバーである理由
バーは大人の憩いの場。静かな空間の中、ムード漂う大人な時間が流れます。
しかし、その内装がおしゃれであるのは「おしゃれな空間を楽しめるから」と言った見た目の理由だけではありません。
たとえば、誰かとカフェを選ぶ際に重視される点を考えてみてください。居心地の良さやその場の雰囲気、誰かに教えたくなるような内装などを重視しませんか?
バーの場合も同じで、おしゃれな内装は訪れる人々を引きつける力を持っています。
おしゃれな内装のバーが注目される理由の一つに、そのデザインがSNSなどで共有されやすいことが挙げられます。「こんな素敵なバーを見つけました!」という投稿は、その投稿を見た多くの人々の関心を引くことができ、集客にもつながるでしょう。バーは見た目がおしゃれな場所というだけでなく、人と人との繋がりを深める場所にもなり得ます。
バーがおしゃれである理由は、単に見た目が美しいという表面的な理由を超えて、訪れた人々に特別な時間を提供し、また足を運びたくなるように思ってもらうためなのです。
バーの種類
バーにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる雰囲気やサービスを提供しています。以下に、代表的なバーの種類を4つ紹介し、特徴を説明いたします。
オーセンティックバー
オーセンティックバーは、バーテンダーが目の前でカクテルを作る様子を見ながら、落ちついた空間の中でカクテルを中心としたお酒を楽しむことができるバーです。
店内は、大人の社交場を思わせるような、シックで洗練されたデザインで統一されています。使用される色彩は、落ち着いた暖色系を中心に使うことで、品のある雰囲気を醸し出せるでしょう。照明は控えめで、じっくりとお酒を味わいたい人にはちょうどいい明るさです。照明は落ち着いたものが多く、バーカウンターは高級感のある素材で作られています。また、バーテンダーがカクテルを作る様子を見せるためのオープンな設計がされていることもあります。
バーテンダーとの会話を楽しみながら、または静かに自分の時間を過ごしながら、洗練されたカクテルを楽しむことができるのが、オーセンティックバーの魅力です。
スタンディングバー
スタンディングバーは、気軽に楽しめる立飲みスタイルのバーで、特に初心者や一人でも立ち寄りやすい気軽さが魅力です。席の移動も自由で顧客同士の会話も楽しめるカジュアルなスタイル。価格設定も手頃で、数杯飲んでさっと退店しても全く問題ありません。オーセンティックバーと比較してかなり入りやすいバーです。
内装は明るく、開放的な雰囲気が多くのスタンディングバーに共通しています。木材を基調としたカウンターや、心地よい光を放つ温かみのある色合いの照明が、居心地の良さをさらに高めています。また、顧客が自由に動き回れるよう、スペースの利用には特に工夫が凝らされており、狭い空間でも快適に過ごせるよう配慮されています。スタンディングバーでは、美味しいドリンクを手軽に楽しめるだけでなく、店内のデザインや照明の工夫によって、親しみやすい雰囲気の中で新しい出会いや会話を楽しむことができます。
ダイニングバー
ダイニングバーは、美味しいお酒と共に、充実した食事も楽しめる場所として人気があります。ワインバーやショットバーのように、様々なドリンクを提供しつつ幅広い食事メニューもある居酒屋のような形態が特徴です。そのため年齢層も幅広い層に人気となっています。一方接客は、カジュアルなスタイルを保ちつつも丁寧さを求められています。
内装は明るい照明と落ち着いた色合いで、お客さん同士で団らんのしやすい、温かみのある空間を演出するといいでしょう。オーセンティックバーやスタンディングバーとは異なり食事を楽しんでもらうという観点から、食事を楽しむための座り心地の良い椅子やソファ、プライバシーを保ちつつ開放感も感じられる席の配置が良いでしょう。
コンセプトバー
コンセプトバーは、ただ単にお酒を提供するだけでなく、特定の趣味やテーマを基にした独自の世界観を持つバーです。来店するお客さんに単なる飲食体験だけでなく、特定のコンセプトに基づいたユニークな体験を提供し、差別化を図ることを目的としています。
例えば、「カラオケ」をコンセプトにしたバーでは、お酒を楽しみながら友人と歌を歌うことができ、「ダーツ」のバーでは、ドリンクを片手にダーツゲームで盛り上がることができます。また、「スポーツ」をテーマにしたバーでは、同じチームを応援するファン同士が集まり、試合観戦を楽しむことができます。
コンセプトバーの内装は、それぞれのテーマや趣味を反映したデザインとなっており、来店客がその世界観に没入できるよう工夫されています。座席配置は、お客さん同士が自然と会話ができるようにアットホームで交流しやすい空間作りがされているのが特徴です。
どんな内装がおしゃれか
おしゃれなバーの内装をデザインする際には、重要な要素がいくつかあります。
ここではどの種類のバーにも共通するおしゃれな内装にするコツを3項目に分けてお伝えします。
照明の工夫
バーの照明デザインは、その空間の雰囲気を大きく左右する要素です。
上手に照明を計画することで、来店客にリラックスできる空間の提供をし、バーの魅力を最大限に引き出すことができます。
基本的にバー全体は明るい照明ではなく暗めの照明にしておくようにしましょう。高級感やムードの演出に繋がります。
とはいえ真っ暗となってしまうと何も見えなくて困ってしまいますよね。ここで積極的に使っていきたいのが「間接照明」です。
間接照明は、直接的に光を空間に投射するのではなく、壁や天井、他の表面に光を反射させて間接的に空間を照らす方法です。この技法により、柔らかく拡散した光が生まれ、空間全体に温かみと落ち着きをもたらします。
例えば、壁に取り付けられたウォールライトや、天井から吊り下げられたペンダントライトが壁面や天井に反射して、間接的に空間を照らすことで、バーにおしゃれで落ち着いた雰囲気を作り出すことができます。
こういった間接照明を用いることで、バーの特定のエリアやデザイン要素を強調することも可能です。
例えば、バーカウンターの下や棚の内側にLEDストリップライトを設置することで、洗練された印象を与え、バーのデザインを際立たせることができます。
また、キャンドルライトやランタンをテーブル上に配置することで、よりプライベートで温かい雰囲気を演出し、来店客がリラックスして過ごすことができる空間を作り出します。
バーにおける照明の工夫は、バーのコンセプトやテーマに合わせた雰囲気作りに不可欠です。間接照明を上手に取り入れ、おしゃれな空間作りを目指せるようにしましょう。
素材・色の選択
バーのデザインにおいて、素材と色の選択は、バーが目指すスタイルやコンセプトを体現し、お客さんにリピーターとして、選ばれるために必要な要素です。
カウンターには木材、石材、金属など、さまざまな素材が選ばれます。
木材は温かみと自然の美しさをもたらし、カジュアルから伝統的なスタイルまで幅広く対応できます。石材はその重厚感と高級感で、モダンで洗練された雰囲気を演出し、金属は現代的でスタイリッシュなバーに適しています。
バーの全体的なデザイン色に関しては、コンセプトに応じて基本はシックな色から選ぶとまとまりやすく、バーと言われて想像しやすい姿になるでしょう。最も大切なのは、色と素材の選択がバーのコンセプトを反映し、目的とする客層に響くようにすることです。
例えば、木材と暖色系の照明を組み合わせることで、親しみやすくリラックスした雰囲気のバーを作り出すことができます。また、石材や金属に寒色系の照明を合わせると、モダンで洗練された空間が生まれます。ニュートラルカラーを基調とし、自然素材や合成素材を巧みに使用することで、トレンドを意識したスタイリッシュなバーも実現可能です。
基本的にバーで素材を重視した選び方をするのはカウンター、逆に色を重視した場合には壁に色絵思ってくるのが良いでしょう。
バーのデザインにおいては、素材や色の選択が来店客の感情や印象に深く関わります。そのため、バーのカウンターや全体のデザイン色、素材の選び方には、目指す雰囲気や提供したい体験を念頭に置き、細部にわたる配慮が必要です。
席の配置
空間演出が重要視されるバーでは、席の配置がとても重要になってきます。ここでは、バーの席配置について、くわしく説明していきます。
まず、バーと言ったら一番に思い浮かぶのがカウンター席ではないでしょうか?
バーの顔とも言える場所で、お客様とバーテンダーが直接話をすることができる席です。ここでは、お客様がバーテンダーと目を合わせやすいよう、カウンターの高さが重要になります。一般的な飲食店でのカウンターが「ローカウンター」と呼ばれる高さの低いカウンターなのに対して、バーでは「ハイカウンター」と呼ばれる1050㎜ほどの高さのカウンターを使うのが良いとされています。また、隣のお客様との距離も考える必要があります。あまりにも近すぎるとプライバシーが守れず、遠すぎると孤立感を感じてしまいます。適度な距離感を保った配置になるようにしましょう。
次に、テーブル席です。友達や家族とゆっくり話したい時に選ばれることが多いです。テーブル間のスペースを適切にとることで、お客様は他のグループを気にすることなく、自分たちの時間を楽しむことができます。
特別な日や2人きりで過ごしたい方向けには個室や半個室が選ばれることがあります。これらの席は、もっとプライベートな時間を過ごしたいお客様にぴったりです。個室や半個室を用意することで、バーはさまざまなニーズにも応えることができます。
照明によって、席の雰囲気がガラリと変わるため、使う照明によって座席の配置を考えるのも良いでしょう。
最後に、柔軟性です。イベントごとやお客様の数によっては、席の配置を変える必要があります。そのため、家具は簡単に動かせるようにしておくと便利です。
バーを開業するための内装工事費用
内装工事費用
バーの内装工事にかかる費用は1坪当たり20~60万円です。
高級化を出すためにカウンターの素材にこだわったり、椅子にこだわるなどするとここからさらに費用がかさむため注意が必要です。また、バーの種類によっては、厨房スペースをしっかりと設ける必要も出てくるためここでも金額が変わります。
費用を抑える方法
バーの内装工事は、こだわり尽くすと費用が高くなりやすいです。
ですが、ポイントさえ抑えれば予算を大幅に削減することが可能です。ここではその紹介をさせていただきます。
DIYを行う
バーの内装工事で費用を抑えたい時、DIYは非常に効果的な手段です。
DIYを行う場合にはしっかりと計画を立てることが重要です。まず、どの部分を自分で行うか、どの作業にプロの手を借りる必要があるかを決めるようにしましょう。例えば、簡単な塗装作業や装飾、家具の組み立てなどはDIYで対応可能です。DIYだけでなくても、新品の購入品を揃えるのではなく、リサイクル素材や低価格の材料を見つけることもコスト削減につながります。レンタルリースで設備を揃えることもできるため、費用をどうしても削減したい場合には検討してみると良いでしょう。
予算をかける場所を明確にする
せっかくの自分のバー。しかもおしゃれな内装のものにしたいと思っている場合にはこだわりたい点、どうしても譲れない点もあると思います。例えばカウンター。一番目につきやすい場所だからこそ、コンセプトに見合ったおしゃれなものがいいと考えている方もいらっしゃるでしょう。他にもバックバーでこだわりのお酒を綺麗に見せられるような作りにするなど、力を入れようと思えば力を入れられるポイントは数知れません。そんな中でもここだけは譲れないポイントをいくつか決めておきましょう。予算をかける場所を明確にしておくことでより自分の理想とするバーに近づけられるはずです。
相見積もりをとる
複数の業者から見積をとることを相見積といいます。相見積をとることで、複数の見積を比較でき、各項目の費用の妥当性を確認しやすくなります。似たような照明計画で照明費用が大きく異なる場合、費用が低い方の照明計画を参考にすることで、費用を抑えて同じ効果を得られる可能性があります。内装工事費用は、開業費用に大きく影響するので、相見積をとることで費用の妥当性を確認しながら、適切なコストで魅力的なバーを実現できる内装工事業者を選定しましょう。
資金の調達方法
バーの内装工事費用を抑えるポイントを前節で解説いたしましたが、内装工事を行う際には、融資などにより資金を調達することも可能です。予算にゆとりを持った事業計画とするためにも積極的に活用してみてください。
公庫からの融資
経営者は開業時に公庫から融資を受けられます。
公庫とは、2008年に設立された、国が100%出資して運営している公的な金融機関です。開業時に多くの経営者は公庫からの融資によって資金を調達しています。
公庫からの融資は、他の金融機関と比較して審査が通過しやすいのが特徴です。金利が民間の銀行と比較して低い傾向であることもメリットです。
補助金・助成金の活用
要項を満たすことで開業時に申請できる補助金や助成金があります。
主な補助金及び助成金は、業務改善補助金・小規模事業者持続化補助金・事業再構築補助金・受動喫煙防止対策助成金の4つです。それぞれについて解説いたします。
業務改善補助金
業務改善補助金とは、小規模事業者や中小企業の業務改善をサポートしている補助金です。生産性を向上させることによって、従業員の最低賃金を引き上げることを目的としています。補助の対象は、人材育成にかかる人件費や、管理システムの導入費などが該当します。補助上限額は30~600万円で、従業員数や引き上げ賃金によって異なります。
内装工事を行う際には、業務の効率化を目的として自動食洗機を導入する、などの理由により申請可能でしょう。
参考:厚生労働省 業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓及び生産性向上を支援するために設けられた補助金です。バーは商業に該当し、常時使用する従業員が5名以下の場合に申請できます。通常枠の場合、補助率は対象経費の3分の2、上限額は50万円です。
参考:商工会議所地区 令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(一般型)
事業再構築補助金
事業再構築助成金とは、新型コロナウイルスの感染拡大によって売上が低下した事業者を支援するために設けられた補助金です。コロナ禍に対応することを目的として、新たな事業を立ち上げる場合に申請できます。従業員20名以下の中小企業が通常枠で申請した場合、100~2,000万円の支援を受けられます。
飲食店テナントとして貸し出していた物件の事業主がコロナ禍により撤退してしまい、その物件に自らバーを開業する場合などに申請できます。
受動喫煙防止対策助成金
受動喫煙防止対策助成金とは、受動喫煙の防止対策を行う際に、専用の設備を導入する費用を助成するものです。喫煙所を設ける際には確認してみてください。飲食店の場合、助成率は対象経費の3分の2、補助上限額は100万円です。
参考:厚生労働省 受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)
まとめ
おしゃれなバー開業には、照明や素材選び、席の配置など細部にわたる配慮が必要です。内装工事では、DIYでの工夫や、予算配分の明確化、複数業者からの見積もり比較が重要になります。計画性を持ち、バーのコンセプトを明確に反映させたデザイン選びをできるようにしましょう。
内装工事を依頼する業者が決まっていない方は、内装広場までお気軽にご相談ください。
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