寿司屋の原状回復について解説!事前の準備や注意するポイント
更新日:2024.01.23
寿司屋を退去する場合、原状回復の工事を行う義務があります。
しかし原状回復の実施には、費用の相場や実施までの流れの情報が少なく、わからない方が多いです。
そこで今回は
「寿司屋を原状回復するには何から始めていけば良いのか?」
「そもそもなんとか原状回復の工事は避けられないのか?」
といった疑問にお答えしていきます。
これから退去される寿司屋のオーナーはぜひご一読ください。
寿司屋の原状回復にかかる費用
寿司屋の原状回復にかかる費用は、飲食店の中では低い部類に入ります。
理由として原状回復で費用がかさむ店舗は、次のような店舗だからです。
- ラーメン屋:常に強い火力でスープを煮ていたり、サイドメニューにも油ものが多かったりと油汚れの原因になりやすいから。
- 居酒屋:喫煙スペースがある居酒屋などでは、煙草のヤニ汚れやにおいが残るいから。
- 商業施設内の店舗:商業施設内の原状回復工事は夜間作業となることがほとんど。そのため管理者の常駐が必須になり、金額が通常より30%~50%ほど高くなる。
寿司屋の場合は調理工程上、一般的な飲食店よりも油ものの調理は少なく、完全禁煙の店舗がどちらかと言えば多いのではないでしょうか。
また商業施設内のようなところにお店を構えることも少なく、路面店の一階にあるケースがほとんどなので搬出の際の導線も確保しやすいです。
よって上記のような理由で割り増し料金が発生することは考えにくく、比較的飲食店の中では低めになります。
店舗の立地や、広さ、設備の状況などにもよりますが、目安として、スケルトン物件(コンクリートがむき出しで、内装が施されていない状態の物件)として返却する際の費用は、一坪(3.3㎡)あたり2万5千円から5万円程度が相場になります。
原状回復を実施するまでの流れ
寿司屋の原状回復は事前の準備をしっかりできるかが、後々のトラブルの有無に関わってきます。そこで下記の流れで原状回復前のチェック項目を説明していきます。
【寿司屋における原状回復までの準備】
- まずは、賃貸借契約書及び特約のチェック
- 原状回復をどの業者に依頼するのかをチェック
- 原状回復の範囲をチェック
まずは、賃貸借契約書及び特約のチェック
まず寿司屋を閉店もしくは移転しようと思った場合、賃貸借契約書及び特約の内容を確認するところから始めましょう。
また実際の原状回復の工事中や完了後も、工程ごとに見直すぐらい念入りに行っておけば後々のトラブルを避けることに大いに貢献します。
では実際の内容についてです。
読み進めて仮に原状回復という文字がない場合でも、必ず「設備、造作などを撤去~をした上で当物件を引き渡す」のような記載があります。
端的にいえば、「入居者の自己負担で行った内装の装飾や、厨房などの設備をすべて撤去します」ということです。
上記のような記載の内容に基づいた工事が、原状回復と呼ばれます。
万が一原状回復についての記載が見つからない、もしくはわかりにくい場合は、オーナーや管理会社に確認しましょう。
原状回復をどの業者に依頼するのかをチェック
寿司屋の店舗物件は、原状回復の工事が可能な業者を賃貸借契約書もしくは特約で指定していることが多いです。
こちらの業者を「指定業者」と呼びます。この「指定業者」の発注が契約で義務づけられている場合は、原則他の業者への工事依頼はできません。
また指定業者への依頼の場合、ある意味独占市場の状態になるので、工事費用は高額になっていまいがちです。
しかし見積もり査定による交渉や、後述する造作譲渡(居抜き状態での退去)により削減することも可能です。
ここでも賃貸借契約書や特約の内容を逐一確認するようにしましょう。
原状回復の範囲をチェック
ここでもやはり賃貸借契約書・特約を見直し、どこまでの原状回復が必要なのかを確認するところから始めましょう。
寿司屋をはじめとした飲食店では、必ずスケルトン物件あるいは居抜き物件のどちらかに分類されます。
スケルトン物件
スケルトン物件は、天井や間仕切、床など内装工事により造作されたものを解体や撤去された、いわゆる「コンクリート打ちっぱなし」の物件です。
また電気配線や空調、吸排気など全ての設備も撤去されいる必要があります。
寿司屋をはじめとした飲食店に多い形式であり、自由に店舗のコンセプトに沿って自由に内装を決めていけるメリットがありますが、居抜き物件と比較して入退去時の費用は高めです。
居抜き物件
居抜き物件は前の店舗の壁紙や天井、間仕切りなどの内装や厨房などの設備が残った状態での物件です。スケルトン物件と比較して入退去費用が安めなので、ここ最近では居抜き物件での借主が増えています。
居抜き方式はさらに
- 造作譲渡のタイプ
- 居抜き状態で退去OKなタイプ
の2種類に分けることができます。
ここでもどちらのタイプかは、賃貸借契約書あるいは特約に記載されているので必ず確認しておきましょう。
造作譲渡のタイプ
造作譲渡は元はスケルトン物件だったものを、譲り受けて店舗をオープンさせる方式です。
造作譲渡の場合では、スケルトンに原状回復する義務も一緒に譲渡されます。よってオープン時は居抜き物件ではあるものの閉店や退去の際には、スケルトン物件に原状回復しなければなりません。
居抜き状態で退去OKなタイプ
造作譲渡以外のいわゆる「一般的な居抜き物件」です。端的に言えば「居抜き物件で入居し居抜き物件で退去する」方式なので、入退去時の工事費用が抑えられます。
退去時には天井や壁紙の張り替え、および増設した設備などの撤去だけすれば問題ありません。
退去時の原状回復範囲は物件によって異なるので、ここでも賃貸借契約書・特約を見直しましょう。
寿司屋の原状回復を依頼する際の注意点
最後に寿司屋の原状回復を依頼する際の3つの注意点について述べていきます。
相見積もりを取る
前述の内容のように賃貸借契約書もしくは特約によって原状回復工事には、施工業者を指定されているケースは少なくありません。
それでも、他の複数業者からの見積もりを行い、指定業者との比較をして価格交渉をすることができるので、検討材料にすることをおすすめします。その際、具体的な工期の検討も忘れないようにしましょう。
また、注意点として「他の業者に見積もりを取った」といった発言や他の業者の見積書を指定業者に見せることはトラブルに発展しかねないのでNGです。
契約満了時までに終了させる
工事期間はなるべく短かく済ませたいところですが、作業中での不足の事態はつきものと言っても過言ではありません。
よって物件の契約満了時までに必ず引き渡しまで終わるように、余裕のあるスケジュールにしましょう。
万が一遅延した場合、追加の賃料の発生や、違約金の支払いの請求の可能性もあるので注意が必要です。
原状回復工事は回避できる?
原状回復工事は多額の費用負担が必要になりますが、実は回復義務を回避する方法も存在します。
それは居抜き物件で造作譲渡されたものです。造作譲渡の場合では、スケルトンに原状回復する義務も一緒に譲渡されることは説明しましたが、実は貸主との交渉次第では、それを回避することが可能になります。
交渉が上手くいき、内外装や設備をそのまま次の借主に引き継いでもらうことができれば、お金も時間も労力も節約することが可能です。
ただしこの場合、内装設備類は次の借主に安く買い取ってもらう、もしくは無償にすることもあるのでそこは念頭にいれて動いていきましょう。
まとめ
寿司屋の原状回復について解説しました。
重要なことや確認事項が発生した際には逐一、賃貸契約書及び特約を確認して後々トラブルに発展しないように気をつけましょう。
また、原状回復を依頼する業者が決まっていないという方は、内装広場までお気軽にご相談ください。
内装広場では、豊富な実績を持つ工事会社の中から、お客様の希望に合わせた業者をご紹介します。