カラオケバー開業成功の秘訣!費用を抑えながら魅力的な内装デザインにするためのポイント
更新日:2024.02.29
コロナ禍が落ち着き、再び外出を楽しむようになった今、お酒を飲みながらカラオケを楽しむことができるカラオケバーへの関心が高まっています。
カラオケバーは、音楽を愛する若者から、ちょっとした出会いを求める人々まで、幅広い層に人気のスポットとなっています。また、アニメソング専門や特定の年代の曲に特化したカラオケバーなど、ニッチな需要に応える形での展開も注目されています。
そんなカラオケバーを開業するには、どうすればいいのか、何から始めればいいのか、開業された行けど悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
開業にあたっては、内装工事のコスト管理から、特定遊興飲食店営業許可など必要な手続きの理解まで、さまざまな準備が必要です。ここでは、そんなカラオケバー開業に向けた基本的なポイントを、分かりやすく解説していきます。
カラオケバーとは?
カラオケバーとはその名の通りカラオケを楽しみながらお酒を楽しめるのが特徴のバーです。
一般的なカラオケとは異なり、個室ではなく知らない人とも空間を共にする形で一緒にカラオケを楽しめるのが魅力です。初対面の人同士でも楽しめるカジュアルさが売りです。
これと似た営業形態をとるスナックとの違いは、ドリンクのメニューの豊富さのほか、利用する年齢層も挙げられます。スナックは年配の方が多いのに対し、カラオケバーは音楽が好きな若年層も利用しやすい場になっています。近年ではアニメソングという縛りを設けた「アニソンカラオケバー」や特定の年代に限定したようなカラオケバー等、形を変えて人気を博しています。
また、初対面のお客さん同士でも盛り上がれることから、出会いの場としての利用をされることも増えているようです。
カラオケバーの開業費用
内装工事費用
カラオケバーの内装工事費用はだいたい坪単価30~50万ほどとされています。居抜き物件で内装工事を行う場合には10~30万ほどに抑える事ができます。
午前0時以降に飲酒を伴う遊興(今回の場合カラオケ)ができる場を設ける場合、「特定遊興飲食店営業許可」というものが必要になり、その場合は客室面積が33㎡以上、つまり10坪は必要となってきます。単純計算で500万以上内装工事費だけでかかってきてしまう場合もあるため、うまくどこに予算をかけてどこを妥協点とするかを考えておくようにしましょう。
費用を抑えるためにできること
・物件の選び方
カラオケバーの開業費用の内、初期費用としてかかってくる物件取得費。物件は立地によってその値段に幅が出てきます。
物件取得費の目安としては賃料の8か月分ほどですが、内装工事にかかる費用を見越したうえでもここはできれば抑えたいところ。
そこで利用をおすすめしたいのが比較的安価に手に入る可能性の高い地下物件です。
カラオケバーは文字通りカラオケを楽しむ場所ということもあり、近隣に迷惑の掛からないように防音設備の取り付けが必要となってきます。
しかし、ここで地下物件を利用することで、防音設備工事費用を最小限に抑えられるのがポイントです。
さらに物件を選ぶ際、居抜き物件を選ぶようにすることでも費用の削減が見込めます。スケルトン物件と比べ、内装デザインの自由度は低くなるものの、ある程度の設備が残っているのが多いことから厨房設備費用や場合によっては什器代も浮かせることができるでしょう。
・中古品やリース品を使う
カラオケバーで使用する機材や家具は、新品を揃えようとすると相当な出費になります。
設備投資を節約したい場合、中古品の購入を考えてみるのも一つの方法です。運が良ければ、状態の良い中古の機材や家具を見つけることができるかもしれません。
また、最も重要になってくるカラオケ機材に関しても、新しいものを取り入れようとすると100~200万ほ度かかってきてしまいますが、中古であれば20万~、レンタルであれば3万~の導入と費用面で大きな差が出てくるため中古やリース品の検討がおすすめです。
・見積もりをとる
内装工事にかかる費用は、依頼する業者によって異なります。
自身が希望する内装工事の費用相場を把握するためにも、見積もりは複数の業者から出してもらいましょう。
見積書を比較し確認することで、必ず行うべき工事を知ることができます。費用を抑えたいのであれば、最小限の必要な工事のみを依頼して、コストダウンを図ることも可能です。
注意点として、最低限の工事だけを行うと、お客さんに満足してもらえるようなカラオケバーにできない可能性もあります。コストを抑えることだけに注目せず、必要だと感じる工事は行うようにしましょう。
内装工事を実施する際は、2~3社程度に見積もりを依頼し、比較するのが良いでしょう。
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カラオケバーの内装デザインのポイント3選
会話しやすいカウンターの設置
カラオケバーの魅力と言えばアットホームな雰囲気。
店の看板ともなるバーテンダーとお客さんの距離を近づけるカウンターの役目は大きいです。とはいえ、カウンターにも複数種類があり、その種類によって用途も変わってきます。
ここからはカウンターの種類をいくつかご紹介いたします。
・高さ
①ローカウンター
高さ700㎜ほどのその名の通り低めのカウンターです。ダイニングテーブルほどの高さであるため、足を床につけた状態でゆったりと過ごすことができます。
居酒屋やレストランのような長時間滞在で食事を楽しんでもらえるお店に向いています。
②ミドルカウンター
ローカウンターよりも少し高い950㎜前後の高さです。ちょうどつま先が床につくかつかないかほどの高さで、オープンキッチンの飲食店で使われることが多いです。
欠点としては対応する椅子が現状少なく、既製品で揃えるのが難しいことです。
③ハイカウンター
こちらも名前の通り高さのあるカウンターです。1050㎜ほどの高さで完全に床に足はつかない作りになっています。
その分カウンター内の従業員と目線が合わせやすく、コミュニケーションのとりやすい造りとなっているため、主にドリンクの提供を行うバーでよく使用されます。
・形
①I字型
お客さんを横一列に並べる形の形状です。
どこの席に座ったお客さんでもカウンター内のスタッフと対面で話しやすいのが特徴で設置費用やスペースをしても一番設置しやすいカウンターの形になっています。
②コの字型
対面だけでなく、両サイドにも座席を設けたタイプのカウンターです。
カウンター内から全方向が見渡せるほか。カウンター内での作業効率の向上が見込め得るため、飲み物の注文の多いお店に適していると言えるでしょう。位置によってはお客さん同士が向き合う形にもなるため、カジュアルでアットホームな空間にしたい場合におすすめです。
③L字型
対面に加え、どちらか一辺に座席が設けられたこのタイプ。
調理工程が見やすいほか、スペースを無駄に使うことがないのが特徴です。パフォーマンスのある調理法をする場合にはこのカウンターが適しているでしょう。
・動線を考慮した席の選び方
人と人同士が会話しやすい環境を作り出すカラオケバーにするためにはどうすればいいか、お客さんの動線という観点から見ていきましょう。
まず、カウンター以外にも席を設ける場合にはカウンターに向き合う形で壁沿いに席を設けるようにしましょう。この形だと、全席の視線が自然と歌っている人に向く形になり、歌でお客さん同士が盛り上がりやすい環境を作ることができます。特に、テレビ画面やステージがある場合は、この形がおすすめです。すると、歌っている人も、聞いている人も楽しみやすい空間になるでしょう。
次に、カウンターには席が回転する椅子を使うといいでしょう。これがあれば、座っている場所から動かずに、周りのお客さん同士で簡単に話がしやすくなります。
また、席やテーブルを動かせると、人数に合わせて自由に配置を変えられるので便利です。団体客をターゲットにする場合は特にこの形をとるといいかもしれません。
重要なのは、お客さん同士、乃至お客さんとスタッフが互いの顔を見やすいようにすることです。
店内に大きなテレビ画面やステージがある場合は、それを見るのに邪魔にならないように気をつけましょう。
・防音設備の配慮
カラオケバーでメインとなる「カラオケ」。お客さんに気持ちよく歌ってもらうためにも店内の防音設備の配慮が必要です。
主な防音設備としてまず挙げられるのが店自体を防音室にすることです。壁や床を分厚くすることで近隣に音や振動が伝わらないようにします。
ここで気になるのが設置費用。規模にもよりますが、設置するための費用は200万~と大きくかかってきてしまうため注意が必要です。
次に、ドアや窓も大切です。ドアや窓は、普通のものよりも防音性能が高い特別なものを使います。そして、ドアの隙間から音が漏れないように、しっかりとした密閉性が必要になります。ドアの下部には、音が漏れ出すのを防ぐためのストリップがついていることが多いです。窓も二重サッシのものを使う、遮音効果のある窓ガラスを利用するなどして対策するようにしましょう。
カラオケバーで使用する機器も重要です。スピーカーやマイクは、音がクリアに聞こえるようにしながらも、配置を工夫することで音が響きすぎないようにしましょう。隣接する部屋がある店舗の場合には、壁からはなるべく離して設置するようにしましょう。
また、先にも少し触れましたが、地下物件にすることで防音設備設置費を最小限に抑えることができるため防音設備の費用をどうしても抑えたい……という場合には地下物件の利用を検討するのが良いでしょう。
インテリアの選び方
カラオケバーを設計する際に、特に注目したいのが照明、椅子、そしてバックカウンターです。これらはお店の雰囲気を大きく左右し、お客さんがまた来たいと思うような空間を作り出す重要な要素です。それぞれのポイントについて、学生の皆さんにもわかりやすく説明します。
照明
照明はカラオケバーのムードを決める大切な要素です。あまりに明るすぎるとリラックスできず、暗すぎると不便を感じるかもしれません。そのため、柔らかくて目に優しい照明を選ぶことが大事です。
例えば、間接照明や調光可能なライトは、お店の雰囲気を柔軟に変えることができ、快適な空間を作り出します。
また、色を変えられるLEDライトを使うと、曲のジャンルや時間帯に応じて、様々な雰囲気を演出できるため良いでしょう。
椅子
カラオケバーでの滞在時間は比較的長くなることが多いため、椅子の快適さは非常に重要です。椅子は見た目のデザインも大切ですが、何よりも座り心地が良いことが求められます。
座面が柔らかすぎず、硬すぎない、適度な弾力性を持つものを選ぶと良いでしょう。また、背もたれのある椅子を選ぶことで、長時間座っていても疲れにくくなります。
カウンター席の座椅子は回転式のものを選ぶことで周りと会話しやすい空間を作り出し、カウンター以外の席では広々としつつもゆったりとできるソファーを用いると良いでしょう。したいカラオケバーの雰囲気によって、お店で使う椅子を変えていくのがポイントです。
バックカウンター
バックカウンターは、お酒を提供するお店にとってバーテンダーに次ぐ顔と言っても過言ではないポイントです。ここでは、ドリンクやおつまみなどを準備するための機能性はもちろん、デザインによっては高級感の演出をすることも可能にします。
例えば、お酒のボトルを美しく並べたり、特徴的な装飾を施したりすることで、お店独自の雰囲気を作り出すことができます。また、バックカウンターの照明にも工夫を凝らし、ボトルが美しく光るようにすると、より一層お店の魅力を引き立てることができます。
お酒とカラオケが好きな人々の集まるカラオケバーだからこそバックカウンターにも力を入れたいところです。
カラオケバー開業の注意点
手続きの申請
カラオケバーを開業する際に必要になってくる手続きは複数あります。ここではそのうち重要となってくるものを3つ紹介いたします。
・風俗店営業許可
・深夜酒類提供飲食店提供届
・特定遊興飲食店営業許可
風俗店営業許可
カラオケにおいて接待行為とされるスタッフとお客さん間での営業がある場合にはこの「風俗営業許可」が必要となってきます。
カラオケバーであてはまるのは主に料理店や社交飲食店での接待、遊興を伴う場合の「飲食風営法1号」ですが、原則として深夜とされる0時~6時の営業は禁止されているため注意が必要です。
深夜酒類提供飲食店提供届
これは深夜の時間帯を指す0時~6時の間に酒類の提供する営業形態の店絵に必要な届け出です。
バーや居酒屋などが対象となりますが、主食とされる食事類が提供される場合にはこの届は必要ないとされています。しかし、この場合、従業員による接待行為は認められていないため注意するようにしましょう。
特定遊興飲食店営業許可
特定遊興飲食店営業許可とは、カラオケボックスやダンスクラブなど、音楽や映像を楽しみながら飲食ができる施設(遊興飲食店)が、特定の条件下で営業をするために提出する届出のことです。
これは、深夜にお酒を提供することで生じる騒音や治安の問題を管理し、地域住民の生活環境を守るために必要とされています。ただし、従業員による接待行為はできないものとなっており、あくまでカラオケバーでお客さん自身にカラオケを楽しんでもらう、不特定多数のお客さんにスタッフのパフォーマンスを見てもらうという趣旨のものとなっています。
まとめ
カラオケバーを成功させるためには、なるべく費用を抑えつつ、来店客に快適な体験を提供することが鍵となります。
まず、賃貸スペースを選ぶ際は、地下の物件を検討することで、賃料を大幅に節約できる可能性があります。装飾や機材に関しても、必ずしも新品にこだわらず、中古の機器を賢く選択することで初期投資を減らすことができます。
店内の設計においては、お客様がリラックスして過ごせるような心地よい空間作りが重要です。カウンター席を設け、お客様同士が自然と会話を楽しめるような環境を作ることで、居心地の良いアットホームな雰囲気を演出できると良いでしょう。
歌で人をつなげられる魅力的な場所として、コストを抑えながらも、お客様に愛されるカラオケバーを作り上げられるようにしていきましょう!
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