ラーメン屋の内装工事について解説!費用相場や業者の選び方は?
更新日:2024.01.23
昨今では、その土地ごとに特徴を持ったいろいろなラーメンが登場したり、今までにない独自の創作ラーメンを開発したりと、ラーメンの進化やその多様性は留まることがありません。
それに伴って、ご自身で開業を夢見る熱い志を、お持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事ではこれからラーメン屋のオーナーになる方が、必ず経験するオープン前の内装工事についての情報を詳細に解説します。
内装工事の業者を探している方や、ラーメン屋で独立を目指している方は必見です。
目次
内装工事にかかる費用
ラーメン屋の内装工事費用を抑える方法
ラーメン屋の内装工事の内容
ラーメン屋の内装デザインで押さえておきたいポイント
内装工事を依頼する業者の選び方
ラーメン屋の内装工事における注意点
ラーメン屋の内装工事における資金調達方法
まとめ
ラーメン屋の内装工事にかかる費用
まずはラーメン屋の内装工事費用ですが、大体の相場は1坪あたり15〜50万円と言われております。
また、工事の物件は大きく分けて居抜き物件とスケルトン物件に分けられ、この2つのどちらかにするかでも費用は大きく変わってきます。
ちなみにそれぞれの物件の特徴と、気になる費用については下記の通り。
居抜き物件 | スケルトン物件 | |
特徴 | ・前の店舗の設備や内装が残されている。 ・間仕切りや内装を大幅に変更したい場合には撤去費用がかかる。 ・設備状況が良ければ、設備の導入費用のコストカットが可能である。 |
・前の店舗の設備や内装が全て撤去されている。 ・間仕切り、設備レイアウト、内装デザインが自由に決められる。 ・全て1からつくり、設備も1から揃える必要がある。 |
費用 (坪単価) |
15万円~30万円 | 30万円~50万円 |
まず費用に関してですが居抜き物件の場合、10坪程度の小さなお店でも最低150万円。スケルトン物件なら、その倍程度の初期費用がかかることがわかります。
居抜き物件にもスケルトン物件にも、それぞれメリットとデメリットがあります。居抜き物件の場合、前店舗がラーメン屋で間仕切りや内装を大幅に変更しないのであれば、スケルトン物件と比較してかなり費用を抑えられます。
ただし、契約前に必ず厨房設備の状況まで確認をしておくべきです。契約後に設備不良が発覚したら、修理メンテナンスや撤去費用はすべて自己負担になってしまいます。
「せっかく安く工事できたのに、修理や撤去で結局トータルで倍の値段になってしまった・・・。」ということがないように念入りに確認しておきましょう。
一方、スケルトン物件の場合は、初期費用は居抜き物件の倍程度かかってしまいますが、間仕切りや設備レイアウト、内装デザインを自由に決められます。
一般的なラーメン屋とひと味違った店構えなどの構想をお持ちであれば、最初からスケルトン物件で思いのままに内装やレイアウトを整えた方が、撤去費用もかからずお得なケースもあるかもしれません。
ただし全て1から作り上げるので、居抜き物件より工事の期間が長くかかるのは確実です。工事期間はそれなりにかかることを考慮して、オープンまでのスケジュールを組む必要があります。
このようにラーメン屋の内装工事にかかる費用は居抜き物件とスケルトン物件によってかなり差が出ます。
物件選びの前に自分の思い描くラーメン屋が、どのような間仕切り、設備レイアウト、内装デザインにしたいかを明確にしてから、どちらを選ぶべきか決断できるようにしておきましょう。
ラーメン屋の内装工事費用を抑える方法
ラーメン屋の内装工事では、居抜き物件とスケルトン物件で大きく価格が変わることはお伝えしました。また、その費用感についても決して安いものではありません。
むしろ高額と言って良いでしょう。
なるべくなら抑えたいものです。そこでここからは、内装工事費用を抑える方法についてお伝えしていきます。
ラーメン屋だった居抜き物件を「貼り重ね」で施工
内装工事の費用を抑える方法に関して、1番効果的な方法は最初の物件で設備が整った居抜き物件を選択し活用することです。
ここで言う設備が整った居抜き物件とは、前店舗がラーメン店だった物件で、なおかつ設備の状態が良好な物件です。前項でも説明しましたが、設備が整った居抜き物件であれば、内装や厨房設備をそのまま活用できます。
また、全店舗がラーメン屋であれば、厨房設備だけでなくカウンターや空調設備、排水設備など多くの設備があります。そのため他の飲食店よりも前店舗がラーメン屋だった物件がベターです。
そして、そのような居抜き物件を選択したら、内装に関して「貼り重ね」で施工すると良いでしょう。貼り重ねとは読んで字のごとく、既存の内装の上に新たな材料を重ねる工法です。
仮に壁を貼り重ねする場合、既存のクロスはそのままで上から新たなクロスを貼ります。この「貼り重ね」の採用で解体費や処分費を節約できるので、トータルの内装費を節約することができます。
ちなみに床材も貼り重ねできますが、床材の貼り重ねの場合、下地の劣化具合の確認が不可能です。
万が一シロアリなどの被害が起きても気づくことができないので、床材で貼り重ねを行う場合は物件建立からの経過年数を確認して、慎重に検討することをおすすめします。
中古品やリースの厨房設備を利用する
実はラーメン屋の内装費用の中で、最も大きな割合を占めるのが厨房設備です。ラーメン屋の厨房設備は内装費用の約40%にものぼります。居抜き物件がスケルトン物件よりも費用が安いのは、ここが理由の1つです。
よって一番ベストな節約方法は前述したように、設備が整った居抜き物件を選択・活用することです。
とはいったものの、どうしても「居抜き物件では自分の理想とするコンセプトの実現は難しそう・・・。」という方もいるでしょう。
そんな人におすすめなのが厨房設備の中古品の購入や、リースの利用です。新品を購入・設置するよりはるかに安く抑えられます。ただし、中古品に関しては状態の確認と品質保証について必ず確認しておきましょう。
また、リースに関するもう一つのメリットとして、スケルトン物件を退去する際には全て撤去して元に戻さなければなりませんが、リースの場合は返却するだけで良いので、撤去費用も節約できます。
内装工事の価格交渉&合い見積もり
価格交渉に気が引けてしまう人もいるかもしれませんが、実は内装業者にとっても価格交渉するのは当たり前のことです。
そのため内装費用の値下げを交渉するのに抵抗感を抱く必要はありません。
また、詳しくは後述しますが、必ずラーメン屋の内装実績がある複数の内装業者から相見積もりを取ってから依頼しましょう。
そうすることでラーメン屋の内装費用の相場感と、それぞれの内装業者との相性を把握できます。
こちらの希望にきちんと応える姿勢があるのか、過去の確かな見地からのアドバイスをしてくれるのかなどの確認と、相見積もりの対応を踏まえて、満足できる対応をしてくれる内装業者を妥協せずに選びましょう。
ラーメン屋の内装工事の内容
ラーメン屋の工事内容も通常の飲食店と似たところはありますが、作るメニューがラーメンに特化しているので多少独特なところがあります。
それではそれぞれ詳しく説明していきます。
造作工事
造作工事とは、ざっくり言うと「内装の下地を作る工事」です。
具体的には
・天井
・床
・壁
・階段
・ドア枠
などの梁や柱などの構造部分以外の内装工事を指します。
日本の場合、建物の内装には木材が使われることがほとんどなので、木材の加工がメインになります。
給排水設備工事
給排水設備工事とは文字通りキッチンやトイレなどの、水を使用する設備、給水管、排水管などを設置する工事を指します。
特にラーメン屋の場合は油分を多く含んだ水を、そのまま下水道に流してしまうわけにはいかないので排水トラップ(沈殿物や油脂などを分離させる槽)の取付けが義務づけられています。
空調設備工事
ラーメン屋は火力の強い調理の特性上、熱がこもらないように整備された空調は必須な条件です。そのため当然、パワーの強い業務用のエアコンの設置が必要になります。
この業務用エアコンの特徴は一般のものと違い馬力表示があることです。この馬力はお店の中で、どのような作業を行うかで目安が大幅に変化します。
想定ギリギリの馬力の物を選んで、運営後に「エアコンが効かないラーメン屋というイメージがついてしまった・・・。」ということがないように必ず想定よりも大きめの馬力のものを選びましょう。
電気設備工事
繰り返しになりますが、ラーメン屋は調理工程で強い火力を常に使っている状態です。そのため営業中は、常に空調設備をフル稼働している状態なので、他の飲食店よりも消費電力も大きいといえます。
「必用な厨房機器の消費電力」と「厨房、客席での発熱量」を必ず依頼前に計算し、ここでも想定ギリギリの契約にしないようにしましょう。また、不安な場合は契約電力について業者と相談することをおすすめします。
ガス工事
ラーメン屋の店内では常にお湯を沸騰させている状態での調理工程になります。つまりガスを常に使用しているため、多くのガス容量が不可欠です。
通常のガス設備では運転効率もガス代の面でもコスパが悪いので、適切な容量への変更や、必要であれば配管工事を検討しましょう。
また、ここでも必要なガスの容量を事前に確認しておくことが大切です。
厨房機器が全部稼働することを想定して、全ての機器のガス容量を合算して、想定のギリギリにならないように見積もりましょう。
ラーメン屋の内装デザインで押さえておきたいポイント
滑りにくい床の素材
床の素材にはこだわりましょう。ラーメン屋はその調理の特性上、床が油やゆで汁で滑りやすくなる傾向があります。特にスタッフが厨房とホールを往復すればなおさらです。
最悪の場合、お客様が滑ってけがをしてしまうことも考えられます。
したがって床材には滑りにくい素材。なおかつ高い防水性と油汚れの落ちやすさを兼ね備えた床材にするべきです。ここはコストをかけてでも妥協せずに選びましょう。
具体的には「ウレタン樹脂系の床材」や「無機質系塗り床材」などがおすすめです。
また、床につなぎ目があるとゴミが詰まりやすいので、つなぎ目のない床材を選ぶことも大切です。
汚れが目立たない内装の色に統一
ラーメン屋の場合はコンセプトカラーを決めて、店内の色はそれで統一するのがおすすめです。
理由は、色が統一されていると落ち着いた印象になり、居心地のよい空間を演出するからです。これにより、お客様はラーメンを食べる事に集中できます。
ファミリーレストランなどの団らんを楽しむことも目的の飲食店とは違い、ラーメン屋は1人で落ち着いて飲食したいお客様(開店率の良いお客様)をメインターゲットにしています。
そのため、内装での主張より、どうすればラーメンの味に集中してもらえるかといった点を踏まえて内装を考えましょう。
また、コンセプトカラーは黒系統がおすすめ。黒色はシックで落ち着いた印象でなおかつ、汚れが目立たないからです。
ラーメン屋は調理の工程上、どうしても天井や壁に落ちない汚れがつきやすいのでそれが目立たない色が最適になります。
オープン&カウンターキッチンの導入
ラーメン屋では多くの店舗がオープン&カウンターキッチンを採用しています。ここではオープン&カウンターキッチンにするメリットとその理由について解説します。
視覚的な楽しさを演出
カウンター越しにオープンキッチンをデザインして調理工程をアピールすれば、お客様に視覚的な楽しさを提供可能です。
ラーメンの美味しさは、味付けや見た目だけではなく、温度や提供方法などによっても影響を受けます。ラーメン屋には1人でご来店されるお客様も多いので、待ち時間の間も「目でラーメンを楽しんでもらう」ことも大切です。
衛生状態の開示
調理工程をオープンにすることで、食の安全性のアピールにもつながります。スタッフに対しても、お客様に見られている作業環境によって安全性や生産性の向上が意識付けができます。プロとして調理工程を開示する意識を持たせましょう。
配膳時間の短縮
カウンターキッチンであれば、ラーメンが出来たらカウンターから出来たてを提供可能なうえに、片付けもカウンター越しで行えます。その分スタッフの動線を増やすことなく、配膳の手間と時間も短縮可能です。
女性が来店しやすい空間作り
近年ではラーメン屋に女性のお客様も来店されるようになってきました。女性のお客様にも人気を得ることは大きなビジネスチャンスです。
単純に今までなかったターゲット層を獲得できるのはもちろんのこと、SNSで店舗の情報を拡散してもらい、お店の認知とさらなる集客効果を狙えるからです。
そのため「女性が来店しやすい空間作り」にも力を入れましょう。
具体的には「SNS映え」と「トイレの清潔感」です。
まず「SNS映え」についてですが、ラーメン屋のコンセプトではありながらカフェのようなオシャレなイメージを内装に取り入れると、そのギャップを女性客が好み、SNSに投稿してくれる可能性が高まります。
次に「トイレの清潔感」ですがメイク直しできる洗面台や、トイレを男女別々にしてあったり、トイレの内装をデザイン性の高いものにしてあったりするなどを施すと女性のお客様も来店したくなります。
女性への気配りを配慮して、男女問わずウェルカムな雰囲気を演出しましょう。
内装工事を依頼する業者の選び方
軽く前述しましたが、内装工事の業者選びは妥協せずに良いパートナーを見つけなければなりません。
そこでここでは業者の選び方について解説していきます。
ラーメン屋の実績がある業者に複数見積もり
ラーメン屋の内装工事を依頼する際には、過去にラーメン店の内装を手掛けた実績のある業者を選ぶのが良いでしょう。
過去にラーメン屋の内装工事を行っていれば、工事の勝手が分かっているので、話がスムーズに進みます。さらに、ラーメン屋に適した内装のアドバイスを貰える可能性があります。
なお、内装工事業者を選ぶ際は、複数の業者に見積もりを依頼することをおすすめします。理由は複数の業者に依頼すると、料金の相場が見えてくるからです。
業者によっては、相場よりも高い値段を掲示してくることもあり得ます。この時に相場を知らない素人の場合、それに気付くことは難しいでしょう。
しかし複数の業者に見積もりをしていれば、業者間の価格の差を比較できます。これにより、素人でも料金の相場が判断でき、良い業者選びにつながります。
内装工事の価格交渉&最後のチェックポイント
相見積もりを取り、内装業者を決め、その業者と価格交渉に進む際にも注意が必要です。
ここでは「価格交渉で良心的な業者を逃さない方法」と、「契約前に最後にチェックすべきポイント」をお伝えします。
まず前者について鉄則ですが、闇雲に「下げられませんか?」という話をすることと他での内装費用の見積書を見せるのはNGです。
なぜなら「よそではこんなに安くしてくれるから、できるでしょ?」といった値引き交渉をして喜ぶ業者はまずいません。
内装業者はこれから長く付き合うパートナーとも呼べる存在であり1人の人間です。相手に嫌な思いをさせてしまうと、向こうにも「この人のお店の工事はやりたくないな」と思われ、良心的な業者を逃してしまうかもしれません。
相手に嫌な思いをさせないことをまず心がけましょう。
相手に好印象を与えるためには、まずは内装費用をこの金額でおさめたい、ということを伝えることが先決です。この際の予算は、想定の80%の金額を伝えるのがポイントです。
次に、今まで、相見積もりを取った他の業者の相場感との差異がある金額があれば、内訳について話を聞かせてもらうと良いでしょう。
ここでしっかりと説明をしてくれるかどうかが「契約前に最後にチェックすべきポイント」です。しっかり説明できる業者を選び、そうでない業者であれば手間ですが再度、業者選び直す必要があります。
繰り返しになりますがラーメン屋の内装工事の費用は決して安くありません。むしろ高いです。
妥協せずに信頼できる業者さんに頼んで、その時の自分に見合った適正な費用で工事してもらうことには、じっくり時間をかけましょう。
ワンストップサービスの内装業者の選択
業者選びの最後のポイントとして「ワンストップサービスの内装業者」について説明します。
ワンストップサービスとは、いくつもの担当や場所に分かれて関連する手続きやサービスなどを、一本化して提供するようにしたもの。
内装工事業者に関して言えば店舗内装デザイン、内装設計、施工のすべてを1つの業者で請け負っている企業があります。一本化することでそれぞれの業者に連絡する手間もないですし、オーナー自体が内装工事の業務に割く時間が減ります。
また、店舗運営後にメンテナンスが必要な時も「○○に関することだからここに連絡を・・・。」ということを考えずに相談できるのは、長く運営を続ける上で大きなメリットと言えます。
ラーメン屋の内装工事における注意点
ラーメン屋は業務や客層の特性上、内装工事における注意点がいくつか存在します。そこでここでは、ラーメン屋の内装工事における注意点を紹介します。
回転率を考慮した動線設計
ラーメン屋は居酒屋などの飲食店と違い客単価が高いとは言えません。
そのため
・お客様のご来店
・客席までの配膳
・飲食を終えてからの退店
以上の3つが速やかに行われ、高い回転率を維持できるような動線の設計が、その後のお店の売り上げに大きく関わります。そのためには具体例として、下記のようなレイアウトの工夫が考えられるでしょう。
・カウンター席とテーブル席のレイアウトであれば、出来上がった料理をそのまま客席へ手渡しできる構造にして、配膳できるようにする。
・テーブル席にセルフオーダーシステムを導入して、接客の手間を省く。
・入り口付近に券売機を設置することで、注文のミスがなくなる。またフロアから余分な設備や什器を省くことにつながるので動線が広くなる。
また、ラーメン店の特徴として1人で来店するお客様が多いです。そして、1人で来店されるお客様は会話をせずに飲食を終えて退店されるので回転が速いといえます。
よって基本的にはカウンターを広めにして、1人のお客様も気兼ねなく入れるレイアウトにするのは重要です。
店舗外に排出される臭気
ラーメン屋の店内のにおいは、ラーメンを食べたい人にとって良いにおいだと感じられます。しかし、ラーメンの種類にもよりますが、近隣住民や通行人にとっては不快に感じられて、クレームを入れられる可能性が無きにしも非ずです。
におい対策としては、立地を踏まえて排気口を取り付けたり、排気口に脱臭機を取り付けたりなどが挙げられます。
なるべく住宅地や通行人の多い場所などに臭いが流れないように、配慮するようにしましょう。
厨房のガス容量
ラーメン屋は調理工程で常に熱湯を沸かしているため、どうしてもガスの使用量が多くなります。
仮にガスの容量の確認を怠って要領が少ないまま、お店をオープンしてしまうと、一度に使えるガスに限りがあり、ラーメンを作るのに大幅に時間がかかります。
これでは効率が悪い上に、回転率も下がってしまいます。ガスの使用容量の制限は必ずチェックし、足りないと判断したら増設を行う必要があります。
また、居抜き物件を賃貸する場合には、ガス配管の太さも確認しておくのがマストです。理由は上記のような事情で増設をする場合、対応できるガス配管の太さが必要だからです。
ガス配管が対応できないと、余分に工事費用がかかったり、ラーメン屋の厨房を工事できないケースもあるのでここも確実にチェックしておくべきポイントです。
業者とのトラブル
内装工事で業者とトラブルが起こる事例もあります。例えば費用面のトラブルでは、見積もりの料金より完工後の料金が大幅に上がっていたケースが多く見られます。
これは内装工事をしていると工事前には見えていなかった物件の問題が見えてくるからです。例えば、床を剥がしたらシロアリによる被害が見つかったり、壁のクロスの下地にカビが繁殖していたりと別途で害虫対策や追加工事が必要になるような場合も出てきます。
常識的な業者は問題がわかったところで、追加工事前に現状の報告と対処方法を相談してくれます。しかし中には無断で追加工事を行い、最後に請求する業者もいます。
信頼している業者の場合でも、見積もりが出た段階で「工事中に追加工事が必要な問題があった時には、その都度報告してもらうことと、その工事料金を明示すること」を、必ず工事前に伝えておきましょう。
また、見積り金額は必ず口頭でなく書面で伝えてもらうようにしましょう。そうでないと聞いていた金額と請求された金額が異なっていても、聞いていた金額が本当かどうか確認することもできません。
このように業者とのトラブルにおいては「言った」「言わなかった」がトラブルになりやすいです。したがって、万が一にも備えて「言った」ということを証明できる形で残しておきましょう。
ラーメン屋の内装工事における資金調達方法
ラーメン屋の内装工事では、比較的費用を抑えやすいスケルトン物件を利用した場合でも150万円以上の費用がかかります。
その他、開業にかかる費用を加味すると、費用をどれだけ抑えても300万円を超えることがほとんどです。
開業後のランニングコストまで考えると、工事費用の負担を少しでも軽減したいと考えてる方も少なく無いでしょう。
ここからは、ラーメン屋の内装工事における資金調達方法を紹介します。
金融機関から融資を受ける
内装工事費用の負担を抑えたい場合、金融機関による融資を受けることをオススメします。
融資を受けるとき、選択肢として多く選ばれているのが公庫です。
公庫とは国が100%出資している公的な金融機関であり、多くの経営者は公庫から融資を受けて開業をしています。
公庫は一般的な金融機関と比較すると、審査が通りやすいという特徴があります。
金利も抑えめな傾向があるため、初めて開業する方は公庫からの融資を検討してみましょう。
公庫から融資を受ける際、重要なポイントは具体的な事業計画を策定しておくことです。
審査が通りやすいとはいえ、返済できる可能性が低いとみなされてしまっては、審査を通過できないこともあるでしょう。
どのようなスケジュールで返済しておくのかを明確にして、熱意が伝わる計画書を作成しておくことが大切です。
補助金や助成金を活用する
ラーメン屋を開業するときには、基準を満たし採択されることで利用できる補助金などがあります。
基本的に補助金は後払いになっているため、開業資金は自身で用意した上で申請を検討しましょう。
また、募集時期や補助上限額、要項などは時期によって変わることもあります。
利用を検討している方は、ホームページをこまめに確認しておくことが大切です。
ここでは、ラーメン屋の開業で申請できる補助金を2つ紹介します。
- 事業再構築補助金
- 小規模事業者持続化補助金
事業再構築補助金
事業再構築補助金とは、コロナ禍における経済の変化に対応するために、事業再構築を図る経営者をサポートするために設けられた補助金です。
例として、コロナの影響によって利益が低下した飲食店が、立て直しを図る際にラーメン屋を開業するときなどには利用できるでしょう。
補助の上限額は、募集の枠や従業員数によって異なります。
従業員数が20人以下の企業が通常枠で申請した場合、100万円から最大2000万円までの支援を受けることができます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓をサポートする事によって、持続的な発展を図るために設けられた補助金です。
この補助金は販路開拓に関する経費を補助しており、代表例としては広告費やウェブでの集客費などが当てはまります。
内装工事においては、集客を図るためのデザイン工事などであれば該当するでしょう。
通常枠では、最大50万円まで支援を受けることができます。
参考:商工会議所地区 令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(一般型)
まとめ
今回はラーメン屋をオープンさせるにあたっての内装工事についてのさまざまなポイントを解説いたしました。
ラーメン屋は他の飲食店と違った客層や、客単価、調理工程などを扱うところがあります。そのため、業界事情を把握した良心的な業者と協力して最適化された店舗にしていくことが大切です。
本記事を店舗オープンの好スタートへの足がかりにして頂ければ幸いです。