医療・福祉・教育

幼稚園・保育園・認可外保育園の内装工事について比較徹底解説!

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幼稚園や保育園の設置(新設・移転)をお考えでしょうか。

地域によっては受け入れ先が見つからない待機児童が存在し、社会問題となっています。

幼稚園や保育園が近所に新しくできることは共働き中のパパ・ママにとっては朗報ですし、1日も早く通えるようになって、友だちをつくりたいと心待ちにしている幼児もたくさんいますので、ぜひとも設置いただきたいです。

そして設置に伴い必要なのは、その成功に導く内装工事です。そこでこの記事では保育園や幼稚園の内装工事の費用、内装工事施工業者の選び方、今回は関連法律や基準も交え解説していくことにします。

目次
幼稚園と保育園の内装工事の前にやるべきこと
幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事費用
幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事費用を抑えるポイント5つ
幼稚園、保育園、認可外保育園、内装デザインのポイント
幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事施工業者の選び方
幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事実施上の注意点
幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事おける資金調達方法
まとめ

幼稚園と保育園の内装工事の前にやるべきこと

1.幼稚園と保育園の違い、施設、面積基準を把握する

幼稚園は学校教育法第3条に基づく学校であるのに対し、保育園は児童福祉法第45条に基づく児童福祉施設となっています。そのため配置されるべき職員も異なり(後述)、施設や面積の基準も異なります。

備えなければならない施設

幼稚園 保育園
保育室・遊戯室(兼用可)

職員室・保健室(兼用可)

便所

飲料水用設備

手洗用設備、足洗用設備

運動場

運動場は、同一の敷地内又は隣接する位置に設けることを原則とする。

(幼稚園設置基準第8条第2項)

保育室又は遊戯室(2歳以上)

乳児室又はほふく室(2歳未満)

医務室

便所

調理室

屋外遊戯場

(近所の公園、神社の境内等で代替可)

面積基準

幼稚園 保育園
園舎 1学級180㎡

2学級320㎡

3学級以上

100㎡/1学級

基準なし
保育室(遊戯室) 1.98㎡/幼児1人
乳児室 1.65㎡/乳幼児1人
屋外 運動場

1学級330㎡

2学級360㎡

3学級400㎡

4学級以上

80㎡/1学級

屋外遊戯場

3.3㎡/幼児1人

346.5㎡/105人(3学級相当)

 

幼稚園は運動場を同一敷地内か、隣接した場所に設けなければなりませんが、保育園は近所に公園や神社の境内などがあれば、代替可能としています。

どちらもなかなか物件探しは大変と思うのですが、どちらかといえば幼稚園よりも保育園のほうが比較的ハードルが低いと考えます。

2.幼稚園は学校法人設立が必要

ちなみに幼稚園には個人が設立した『附則6条園』もしくは『個人立幼稚園』がありますが、学校法人が運営する幼稚園がほとんどです。

幼稚園新設をお考えなら学校法人設立も必要で、

・学校法人設立
・幼稚園設立

と2つの認可申請を行うため、土地購入、園舎建設と1~2年かけて開園に向けてみっちりと準備をしていきます。

3.保育園は新設できるか自治体に確認する

保育園はいつでもどこでも自由に新規設置できるものではありません。まずは開園を考えている自治体に保育園を設置できるかどうかを確認します。なぜなら保育園は基本、公募制となっているからです。

例えば過去の福岡市の資料によると、小学校区単位で公募が出されていましたので、その校区範囲で適切な土地か、基準を満たす賃貸物件を探すことになります。ちなみに次の項目を満たす賃貸物件を探さなければなりません。

 

(1)新耐震基準を満たし、耐震上問題がないこと。
(2)原則として賃借権を設定し、かつこれを登記できること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、賃借権の登記を行わないこともできます。
①賃貸借期間を10年以上とできること。
②貸主が、地方住宅公社若しくはこれに準ずる法人、または、地域における基幹的交通事業者等の信用力の高い主体である場合。

引用:保育所設置・運営者公募要項 令和 2 年 11 月 福岡市こども未来局

4.多額の資金を確保する(目途をつける)

幼稚園や保育園は、土地と園舎が必要となりますので、所有されていない場合は土地購入・建設資金が必要です。

また先述したように保育園はスグに設置・開園できるものではありません。なぜなら自治体の事前協議を経て、専門部会による事前審査、ヒヤリングを経て設置・運営できるかが決まるからです。

設置・運営が認められたら、建設や内装工事を行い、翌年4月晴れて認可・開園となります。事前協議から開園まで実に1年半近くかかりますので、その間はテナント物件を借りるにしても、利用料・保育料収入が入らない状態で、賃料だけ捻出することになります。

さらに開園前から職員を雇用し、園児を迎え入れる準備を行いますので、採用活動費と入職後の人件費も確保しておかなければなりません。ちなみに受け入れる園児の数で必置となる教諭・保育士の数が変わってきます。

 

幼稚園 保育園
必要職員の種類 ・園長

・教諭

・学校医

・学校歯科医

・学校薬剤師

・保育士

・嘱託医

職員配置数 1学級(原則35人以下)あたり専任教諭1人 0歳児

1人/児童3人

1、2歳児

1人/児童6人

3歳児

1人/児童20人

4、5歳児

1人/児童30人

この章における3つの比較表に用いた参考文献:厚生労働省 幼稚園と保育所の基準の比較【職員配置・施設設備等】

5.認可外保育園の開業を検討する

スグにでも幼児の保育事業を行いたい方は、いわゆる認可外保育園の検討をオススメします。なぜなら認可外保育園の場合、事業開始日から1カ月以内に自治体へ届け出るだけでいいからです(義務)。

しかも幼稚園や保育園ほどの厳格な施設・面積基準などはなく『認可外保育施設指導監督基準』に適合していれば事足ります。

認可外保育園の保育室は乳幼児1人当たり1.65㎡以上と決まっていますので、借りることが決まった物件の面積から受け入れるべき数を決めることも、受け入れたい人数を収容できる物件を探すこともできます。

施設は乳幼児保育室(乳児と幼児の保育を行う場合は事故防止の観点から区画を別々にする)と調理室、便所を設けることになります。職員配置数については保育園と同様です。

このように幼稚園や保育園と比べ認可外保育園は、開業しやすいといえますが園児の命を預かるため、特に消防設備については何が必要かなど一度、所轄消防署もしくは消防本部に足を運び、尋ねていただきたいです。

幼稚園、保育園、認可外保育園いずれにしても設置・運営できることが確定した時点で、本格的に開園に向けた内装工事へと進めていくことになります。

ここからは購入した土地に園舎を建設するパターンではなく、幼稚園、保育園、認可外保育園を開園するために基準を満たす物件を借りて、内装工事を行うケースに絞り解説していきます。

幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事費用

1.幼稚園、保育園の内装工事費用坪単価

約30坪(100㎡)のスケルトン物件を借りて、幼稚園・保育園の設計・デザインと内装工事を依頼した場合、

総額 900万円~2250万円
坪単価 30万円~75万円

上記を目安に考えておきましょう。ただし資材運搬費や原材料等の価格によって前後します。

2.幼稚園、保育園の内装工事は自治体から補助が出る

ただし自治体主導で設置・運営の計画を進めた場合、土地の購入・整地を除き園舎の新築、改修については相当の補助金が出るはずです。

あくまでも一例ですが前出の福岡市の資料によると、すべての法人が事業費(工事費、設計監理費、備品購入費)の 3/4を補助してもらえる旨、書かれています。

3. 認可外保育園の内装工事費用

認可外保育園の内装工事費用は、借りる物件の状態や広さ、オーナーのこだわりによってピンからキリです。

補助が出ない分、認可外保育園の場合は、基準さえ守れば比較的、自由度の高い内装が可能ですし、スケルトンではないテナント物件を借りるなど工夫を凝らせば内装工事費用を劇的に抑えることができます。

それでも園児の安全確保の観点からクッションフロアやクッションウォールの購入・設置などを行うために最低100万円は見ておくべきです。

幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事費用を抑えるポイント5つ

法律や基準を守りつつとなりますが、幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事費用を抑えるには、

・シンプルで開放的な設計デザインにする
・既存建物の良さを活かす
・必要以上のドアや扉を設けない

ことが肝要です。また相見積もりも忘れてはなりません。

1.シンプルで開放的な設計デザインにする

必要以上の間仕切りや造作を設けないことで費用はきちんと抑えられます。

認可外保育園の場合、必置施設は

乳児保育室/幼児保育室/調理室/便所

となっており、それらが備わっていれば問題なく運営できると行政や自治体は考えているといえます。なかには保育園らしく、園児が喜びそうな

花や木/動物/乗り物/アルファベット/音符/太陽や月や星/ハートマーク

といったモニュメントなどを取り付けたり、階段付きすべり台など室内遊具を据え付けたりしたいオーナーもいるかもしれません。

しかしこれらはやはり、内装工事費用が大きく跳ね上がるメニューですので、本当に必要か設計デザイン確定前に熟考すべきです。

2.既存建物の良さを活かす

さすがに冷たい印象があり、ひんやりとしたコンクリートむき出しのスケルトン物件をそのまま使うのは感心できませんが、木造の建物を借りて改修して使うのであれば、木の良さを活かしたいものです。

白い壁紙を貼るより、既存のプリント合板の壁をそのまま活かしたほうが、木のぬくもりを前面に出せます。

壁紙代と工賃が発生しない分、内装工事の費用は抑えられます。

3.必要以上のドアや扉を設けない

・ドアで手を挟む
・開いた扉に頭をぶつける

などは子育て中よく見かける光景ですが、大切な園児をお預かりする以上、園内では極力、その手のアクシデントは起こらないようにしたいものです。そこで

・園児の荷物棚に扉を付けない
・トイレは扉不要のレイアウト

にすることで、ドアや扉の代金と工賃が発生せず、内装工事費用は抑えられます。

4.複数の業者から相見積もりを取る

特に認可外保育園のオーナーは内装工事を依頼するとき、最初から1社に絞ることはせず、周辺の複数の業者から見積書を取り、相場把握と価格交渉、業者選定の材料に用いましょう。

保育園は保育士を園児の数に応じて雇用しなければなりませんので人件費が開業時のウェイトを占めます。そのためかしこく内装費用を抑え、手元資金は大切に温存し、有効に使いたいものです。

5.デザイン設計も内装工事も行える業者を選ぶ

デザイン設計と内装工事を別々の業者に依頼すると、費用が嵩張る可能性があります。一方でデザイン設計と内装工事をワンストップで依頼できる業者がいれば、わずかでも費用を抑えられる可能性が出てきます。相見積もりするとわかるのですが前者と後者、どちらがオトクかぜひ比較してみてください。

多額の費用がかかる幼稚園や保育園の内装工事費用を今ではネットで比較的カンタンに探せるうえ、見積書も出してもらえたりします。

幼稚園、保育園、認可外保育園、内装デザインのポイント

1.法律や基準を守る

自治体主導の下、幼稚園や保育園の内装工事施工実績のある業者主導の下、行っていくならさほど神経質になる必要はないのかもしれませんが、まずオーナーとしては

幼稚園 学校教育法第3条に基づく幼稚園設置基準
保育園 児童福祉法第45条に基づく児童福祉施設最低基準
認可外保育園 認可外保育施設指導監督基準

上記基準を把握し、内装デザインに反映させなければなりません。

2.園児が安心して通える材料を採用する

幼稚園や保育園には不特定多数の園児が通います。なかにはカビや化学物質の作用で

・アトピー
・ぜんそく
・アレルギー

に悩んでいるお子さんもいらっしゃるでしょう。そこで調湿作用に優れカビの発生を防ぐ無垢材珪藻土クロスを採用し、ホルムアルデヒドなどの有害物質を極力出さない材料で内装を施すことでアトピー、ぜんそく、アレルギーから守れ、病欠になりにくく毎日通える園づくりが可能となります。

3.園児の安全を確保する

小学校に上がる前の子どもたちは経験値が少ないため、何をしたらキケンな目に遭い、どのようなことをしたらケガをしやすいかをわかっていません。

そのため室内でもお友だちがいれば、走り回りますし、飛び跳ねたり、高いところに登ってジャンプしたりします。

予期せぬ転倒や衝突に備えて床はクッションフロア、壁はウォールクッションの採用を検討しましょう。またクッションが吸収してくれるため防音にも有効で、周辺の住宅への配慮もできます。

また段差や何も飾らない作り付けの棚板など現状、意味を為さない突起物も極力なくしたほうがいいです。

そして当たり前のことですが、職員がすべての園児の動向を把握できるよう、死角をつくらないデザインを心がけます。

大人目線ではなく、しゃがんで園児目線になってどのようなデザイン設計を依頼したら安全につながるかシミュレーションするなどし、最終的なデザインを決めていただきたいです。

4.園全体のセキュリティを高める

残念なことにGoogleで『保育園 セキュリティ』で検索すると、関連キーワードで『保育園 セキュリティ 甘い』と出てきてしまいます。

保護者の幼稚園や保育園選びでの関心ごとはやはり、そのセキュリティ体制なのでしょう。

オーナーは、園児はもちろん幼稚園教諭や保育士をはじめ園の職員全員を守らなければなりません。そのため不審者に入り込ませない内装を施しておくべきです。具体的には

・侵入経路や死角に防犯カメラ
・門や玄関をオートロック化
・小窓には面格子
・窓は防犯ガラス

を採用すべきです。

5.保護者や幼児に選ばれる内装にする

幼稚園や保育園は園児が毎日通い、1日の大半を過ごすことになりますが、通わせるかどうかを決めるのは保護者です。なかには幼児の「通いたい!」の一言が決め手になることもあるでしょう。開園後、園のホームページなどで

・安心
・安全性
・セキュリティ

をウリにできるよう、内装工事でしっかりとこの3点を訴求したいものです。

幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事施工業者の選び方

1.鉄則は幼稚園、保育園施工実績のある業者を選ぶ

ここまで読み進めて

・法律や基準を守っていないと開園できない
・園児の安心・安全を最優先
・園児目線で設計デザインすべき
・園全体のセキュリティを高めるべき
・保護者に選ばれる内装が必須

ということがわかり幼稚園や保育園の内装は他業種と比べ、ハードルが高すぎることにお気づきになったことでしょう。

そのため幼稚園や保育園の新築・リフォームにおける内装工事施工実績のある業者を選ぶのがマストです。

しかし幼稚園や保育園は地域別に見てそれほど数は多くないため、実績のある業者を探すのは至難の業かもしれません。

2.幼稚園や保育園に似た施設の施工実績のある業者も選定候補に

前項で探した結果、遠方の業者しか見つからなかった場合、依頼するにしても交通費や資材運搬費を別途で追加請求される可能性も出てきます。

その場合、施工実績を学校や病院、福祉施設にまで拡大して、探してみましょう。

特に小児科や児童デイサービス事業所は主に幼児を対象としているため、幼稚園や保育園と似たような内装を施しているケースが多いです。

幼稚園、保育園、小児科、児童デイサービスに明るい建築士や建設会社、工務店を探すようにします。

3.複数の業者の見積書から選ぶ

幼稚園や保育園、小児科、児童デイサービスの施工実績のある業者を調べ、複数に問い合わせ、まずは見積書発行依頼をします。

その際、窓口担当者の対応は丁寧だったか、見積書に「一式」と書かず摘要から単価まで細かく提示してきたか、ネット上で悪評がないかまでチェックし、問題がなさそうなら、その業者に決めても後悔することはないと考えます。

今はネットでカンタンにクチコミも業者も見つけることができるため、利用しない手はありません。

4.契約書に遅延違約金の項目を載せた業者を選ぶ

万が一、業者側の落ち度で内装工事の工期を守れなければ「1日いくら」で請負代金から工事済部分に関する請負代金相当額を控除し、その額に年10%を乗じたものを違約金として請求可能です。

どの業態でもいえることですが、内装工事がそのビジネスの運命を握っています。計画どおりに進まなかったばかりに失敗に終わるビジネスも存在します。

特に幼稚園や保育園は受け入れる園児数によって異なりますが多くの場合、広い物件に内装を施すため、かかる期間も費用も大きくなります。

また幼稚園、保育園は原則、新年度が始まる4月1日に開園となります(その旨の認可が下ります)。通常、自治体主導で1年~1年半という余裕を持たせた時系列で計画が進んで行くため、そのようなことはないと思うのですが…

万が一、工期遅延で開園できなかった場合、園はもちろん設置を決めた自治体、園児、保護者とその被害は計り知れません。

認可外保育園も4月1日、9月1日、10月1日、1月4日などキリのいいタイミングで開園を予定されると思います。

万が一、予定日に開園できなくなった場合、保護者が一時保育に預けられるよう手配したり、仕事を休まなくてはならなくなったりし、オーナーの賠償責任は逃れられないと考えるのが自然です。被害が比較的小規模でも運営上、大きな痛手となりえます。

そのため契約書にはきちんと『遅延違約金』について定めを設けているか確認するようにします。一般的な契約書も用意できていない業者は、オススメできません。

幼稚園、保育園、認可外保育園の内装工事実施上の注意点

1.内装工事実施は確実に設置・運営が決定してから

認可外保育園なら、事業開始後に届出が義務付けられていますので物件を借りたあとに、デザイン設計、内装工事へと順当に歩を進めればいいのですが、幼稚園や保育園を開園する場合、自治体からの設置・運営の決定が出てからでないと内装工事に着手するのはキケンです。

万が一、認められなかった場合は工事も費用も無駄に終わりますので、見切り発車はしないに越したことはありません。

2.余裕のある工期を設定する

保育園を開業するために借りようとする物件の現行用途が事務所なら、児童福祉施設へと変更しなければなりません(用途変更)。また施設の用途に供する部分の床面積合計が 200 ㎡を超える場合は確認申請が必要です。そのため審査などに時間を要することとなり工事開始期と開園が大幅にズレる可能性もありえます。

またいくら余裕をもって入念に準備を進めていたつもりでも、開園に間に合わなくなるケースは起こりえます。例えば

・手配した材料や部品が到達しない
・地震や台風の発生

など内装業者の落ち度とはいえず責任追及できないケースも考えられます。

いつでも開業できる認可外保育園ですが、内装工事の工期最終日と開園予定日は少なくとも2週間~1カ月は離しておくべきです。時間が惜しいかもしれませんが、保護者向け内覧会や説明会などを随時開くようにすれば1カ月はあっという間に過ぎます。

工期が延びて、開園予定初日から園児を預かれない状況になった場合は、謝罪しなければならないうえ、保護者からの信用も失います。そして今後の認可外保育園運営に少なからず影響が出ますので、余裕を持った工期を設定しましょう。

3.設計図どおりに施工されているか自分の目で確かめる

設計デザインを担当した建築士や施工管理部門の担当者も、現場に行くと思うのですが、特にこだわりをもって発注した場合は、人任せにせず自らも足を運んで、

・進捗は計画どおりか
・施工はデザインどおりか

チェックします。

可能なら建築士に頼んで、設計図上の法律や基準で守らなければ不利益を被る箇所に赤丸チェックをしてもらい、重点的に見ていきます。

深い人間関係ができあがっていない業者の人たちに作業中あれこれ細かく指摘するのはたしかに気が引けますので、初日に訪問し一人ひとりにあいさつして声をかける、定期的に差し入れをするなどし、いい加減な仕事ができないよう外堀を埋めていきましょう。

幼稚園、保育園、認可外保育園における資金調達方法

保育園などの内装工事では、一坪あたりおおよそ30~75万円程度の費用が発生します。
新たに保育園を造りたいけども、資金の兼ね合いで難しいと考えている方も少なくないでしょう。

もしも資金面で不安を抱えている方がいたら、公庫からの融資を一度検討してみることをオススメします。
補助金の活用も、資金不足を補う手段として有効です。

ここからは、幼稚園、保育園、認可外保育園における資金調達方法を解説していきます。

公庫からの融資

保育園を新たに始める際には、審査を通過することによって融資を受けることができます。

融資を受ける際、最初に思い浮かぶのは日本政策金融公庫(以下、公庫)という方も多いでしょう。
公庫とは、国が100%出資して運営している、2008年に創設された公的な金融機関です。
公庫は銀行と比較すると、融資の審査が通りやすいというメリットがあります。

ただし、審査が通りやすいとはいえ、どなたでも確実に融資が受けられるというわけではありません。

公庫からの融資は、国民の税金によって賄われています。
当然ながら、簡単に融資を行ってしまっては問題になるでしょう。

返済ができない相手には融資を行うわけにはいかないため、公庫からの融資では事業者の信頼性が重要視されます。

例として、今まで保育園に関わってきた経歴が無ければ、融資を受けられる可能性が低いでしょう。
融資を受けるからといって、自己資金をほとんど用意していなければ、創業に関する熱意も伝わりません。

公庫の審査を通過したいと考えている場合は、説得力を持たせられる計画書を策定しましょう。

保育園の経営に関わってきた実績があるならば、それをアピールできるように実績をまとめる必要があります。
経営に関わったことが無くても、保育園の開業に活かせる要素を見つけて伝えることができれば、融資を受けられる可能性は0ではありません。
自己資金を充分に設けておけば、開業に対する熱意に説得力を持たせられます。

補助金・助成金の活用

保育園や幼稚園の内装工事では、設けられている要項を満たす事によって申請できる補助金があります。
自身が基準を満たしている場合は、一度利用を検討しても良いでしょう。
ここでは、幼稚園や保育園などできる補助金・助成金の例を紹介していきます。

保育環境改善等事業

保育環境改善等事業とは、病児や障がい児のサポート事業を実施するために必要な設備の費用に対して支援をする事業です。
具体的には、病気になってしまった児童に対して看護師が一時的に保育する事業や、通常の保育所が障害を持つ児童の受け入れに必要な改修工事を行う場合などが該当します。
他にも、熱中症対策として冷房機器の設置をする際の費用や、緊急で児童の一時預かりを実施するために必要な設備の費用なども当てはまります。
内装工事に限らず、条件に当てはまれば様々な要件で申請できる補助金ですので、一度ホームページをチェックしておくと良いでしょう。

補助の基準額は事業によって異なり、病児保育事業などの場合は1事業あたり720万円です。

参考:厚生労働省 保育環境改善等事業

自治体独自で設けられている補助金

地域によっては、開設にあたって申請できる独自の補助金が設けられています。
要項などは地域によって異なるため、自身が開設する地域で設けられているのかをチェックしておきましょう。
ここでは、横浜市で設けられている「令和4年度横浜市保育士環境改善事業補助金」を例に紹介していきます。

補助の対象は、幼稚園や認定こども園、認可保育所などが該当します。
対象になる経費は、内装改修にかかる費用や、物品の購入にかかる費用です。

補助率は対象経費の4分の3となっており、最大で250万円の補助を受けられます。

参考:横浜市 令和4年度横浜市保育士環境改善事業補助金について

まとめ

幼稚園や保育園の内装工事費用坪単価は30万円~75万円と考えておくといいです。認可外保育園の場合も工夫次第で内装工事費用は抑えることができますが幼児の安全確保のために最低100万円は用意すべきです。

・シンプルで開放的な設計デザインにする
・既存建物の良さを活かす
・必要以上のドアや扉を設けない

ことで内装工事費用を抑えられます。

法律や基準を守り、園児の安心・安全を確保しつつ、園全体のセキュリティも高め、保護者や幼児に選ばれる園づくりを心がけたいものです。

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