クリニックの内装工事&費用解説!デザインのポイントをお伝えします!
更新日:2024.03.16
どんな方でも一度は利用したことがあるであろうクリニック。患者さんの生活に寄り添う形で暮らしのそばにあるものです。
そんな生活により近い場所にあるクリニックだからこそ、せっかくなら患者さんにかかりつけ医として利用してもらいたいですよね。
そのためには医師の腕はもちろん、待ち時間も患者さんに快適に過ごしてもらえるような空間づくりが重要となってきます。
この記事ではそんなクリニックの内装のコツについて解説いたします。
クリニックの内装にこだわるワケとは?
・クリニックと病院の違い
クリニックと病院は、医療サービスを提供する施設ですが、その違いは規模や提供するサービスの幅、そして内装や雰囲気にあります。
まず、クリニックは比較的小規模で、一般的には特定の医師や専門家が診療を行います。一般的な診療や健康相談、予防医学、小規模な処置などが主なサービスです。一方、病院はより大規模で、多くの医師や専門家が働き、様々な診療科や専門医療を提供します。病院では救急医療や入院治療、手術、重症患者のケアなども行われます。
内装や雰囲気においても、クリニックは一般的には比較的明るく、リラックスした雰囲気が特徴です。待合室や診察室は清潔感があり、患者が居心地よく感じられるような工夫がされています。一方、病院の内装はより機能的で、設備や施設が整っています。また、病院では患者の状態に応じて、入院施設や手術室、検査室などの設備も備えています。
簡潔に言うと、クリニックはより個別的な医療サービスを提供する小規模な施設であり、内装はリラックスした雰囲気が特徴です。一方、病院はより広範囲で総合的な医療サービスを提供する大規模な施設であり、内装は機能的で設備が整っています。
・クリニックでも内装にこだわったほうが良いワケ
クリニックの内装は、患者が医療サービスを受ける上で非常に重要な要素です。その理由は複数あります。
まず第一に、内装は患者の体験に大きな影響を与えます。清潔感があり、明るく居心地の良い待合室や診察室は、患者がリラックスし、待ち時間を快適に過ごすことができる環境を提供します。これは、患者が医療スタッフと円滑にコミュニケーションを取りやすくし、医療サービス全体の満足度を高める効果があります。
さらに、内装は心理的な面でも重要です。快適な空間は患者の不安や緊張を軽減し、治療や診察に対する意欲を高める効果があります。特に、医療スペースである診察室や処置室では、清潔感や機能性が重視されることで、患者が医療スタッフに対して信頼を持ちやすくなります。
また、内装はクリニックのブランディングやイメージ構築にも関わります。独自のスタイルやアイデンティティを持つ内装は、クリニックの個性を表現し、患者に強い印象を与えることができます。これにより、患者はクリニックを好意的に受け止め、リピーターとなる可能性が高まります。
総じて、クリニックの内装は患者の体験だけでなく、クリニックのイメージや信頼性にも大きな影響を与える要素です。そのため、内装には細心の注意が払われるべきであり、患者の満足度向上やクリニックの成功に不可欠な役割を果たしています。
待合室のデザインポイント
クリニックの中で最も時間を過ごす場所とはどこでしょうか?
そう、待合室です。長ければ1時間ほど待つことを求められるこの空間を、いかに快適に過ごしてもらうかというのが、クリニックに対する印象を良くするためのポイントにもなります。
また、クリニックに入って1番最初に目がつく場所でもあり、クリニックの顔となる部分でもあります。まずはデザインに入る前にクリニックのコンセプトを決めておくようにしましょう。
・コンセプトを決める
コンセプトは「診療科」「ターゲットとなる患者さん」によって異なります。例えば、老若男女問わずの来院が予想される内科であれば多くの来院が予想されるため、回転率の良い作りかつ、どんな年齢層であっても落ちついて過ごせる空間づくりが必要です。逆にターゲット層が主に女性の多い美容クリニックであれば女性がうれしいパウダールームの設置や、内装自体も高級感のあるデザインであると良いでしょう。
このようにターゲットや自院の診療科が違うだけでコンセプトも、伴ったデザインも変わってきます。
・診療科別デザイン例
内科:最も患者数が多く、老若男女様々な方が来院する内科。どんな方からも好まれるシンプルかつ温かみのあるデザインが好まれるでしょう。また、回転率を上げるための動線について意識し、広いスペースを設け、診療室もしくは受付に向かいやすいスペースを確保したうえで、座席もなるべく多くそしてゆったりと座れるものを用意するのが良いでしょう。年齢層さまざまな方が来ることから、特に立地的に子供が多い場合にはキッズスペースや子供が飽きずに待っていられるような絵本などを置くようにし、高齢の方が多い場合にはバリアフリーに特化した手すりを付ける、段差をなくしてスロープにするなどの工夫があるとなお良いでしょう。
小児科:小さなお子さんが来ることの多い小児科。病院に怖いイメージを持ってしまいがちなお子さんでも安心して病院に来られるように、子供に親しみやすく感染症対策などもしっかりと施された空間つくりを目指しましょう。
例えばキッズスペースを作る場合には、床や壁は柔らかい素材を使うようにし、角のないインテリアや柱類を使うようにするなど、ちょっとした工夫でも安全性を考慮した工夫が必要です。また、室内の基調とする色は白のようなシンプルなカラーで統一するより、黄色やオレンジと言った明るい色を使うほか、イラスト付きの壁紙を選ぶようにするのも良いでしょう。
外科:主に外科を利用される患者さんは、高齢者の方を中心とした足の不自由な方が多い傾向にあります。車椅子を使った患者さんだけでなく、若い患者さんも松葉杖のような杖を利用して来院される方が多いため、待合室にもバリアフリー要素を含むようにしましょう。けがをされている方が窮屈な思いをしなくて済むように待合席は前後の空間を広く保てるようにすると良いです。こちらもまた動線を意識し、けがをされている方でも無理なく移動できるような席の配置にすることが必要です。全体的に広くスペースを確保できるようにしておきましょう。
産婦人科:女性の診療科である産婦人科。患者さんの中には初めての出産を控えて不安な思いをされている方もいらっしゃいます。そんな方にも落ちついていただけるように空間は優しい色を基調とした女性らしい空間つくりを心がけるようにすると良いでしょう。BGMなどにもこだわり、女性がリラックスように視覚聴覚の部分でこだわるよう資すると良いかもしれません。また子育て中の方にも安心して利用していただけるようにキッズスペースがあるのも良いです。待合席もゆったりと座れるものを用い、空間は清潔感のある白のほか、ピンクやくすみ紫、クリーム色など女性らしさを感じさせる色合いが良いでしょう。
皮膚科:皮膚科には2種類あります。
通常の保険診療を行う皮膚科であれば、内科同様、老若男女問わず利用される方がいらっしゃるため、広々とした清潔感のある内装にするのが好まれるでしょう。一方で美容皮膚科の場合には、保険適用外となり、美容目的での利用がほとんどです。保険適用外な分、患者さんの出費もかさむため内装から高級感のある物にしておくのが良いでしょう。特に女性の利用が多いため女性らしいラグジュアリーな空間にするのに加え、パウダールームの設置等、利用者が快適に過ごせる設備があるとリピートにつながる場合もあります。
歯科:口の中という最も衛生観点で気になる部分を施術する歯科。
清潔感のあるデザインが求められます。また、利用者も老若男女問わずの場合が多く、そんな幅広いターゲットに受け入れられるデザインにしつつも、歯科特有の恐怖感を感じさせないようなデザインにするのが良いでしょう。主にリラックス効果を出させる工夫をするようにしましょう。内装の色だけでなく、空間演出として落ちつける場を提供できるようにBGMやアロマを焚くなどの香りにまでこだわるようにしましょう。
内装デザインのコツ
・クリニックでの色の使い方
クリニックの内装での色の使い方は、患者の心理的な安心感や医療環境での適切な雰囲気を演出するために重要です。待合室や受付エリアでは、穏やかで落ち着いた色を選ぶことが一般的です。例えば、淡い青やグリーンはリラックス効果があり、落ち着いた雰囲気を醸し出します。これらの色は、患者が待つ間に緊張を和らげ、安心感を与えるのに役立ちます。また、患者の不安を和らげるためには、温かみのあるベージュや明るいクリーム色も適しています。これらの色は心地よい雰囲気を作り出し、クリニックの空間全体を温かく演出し、快適な待ち時間を提供することにも繋がります。
一方、診察室や手術室では清潔感を重視し、白や明るいグレーが一般的です。これらの色は衛生的で医療環境に適しています。明るい色は清潔感を強調し、医療従事者が衛生面に対する注意を高めるのに役立ちます。また、これらの色は患者にも安心感を与え、治療や手術中のストレスを軽減します。さらに、各エリアの色を統一することで、クリニック全体の調和を保ち、患者に一貫した印象を与えることができます。ただし、個々のクリニックの雰囲気やブランドイメージに合わせて、色の選択は変わる場合があります。そのため、クリニックのコンセプトや目的に応じて、色彩の専門家やインテリアデザイナーのアドバイスを活用することが重要です。専門家のアドバイスを得ることで、最適な色の組み合わせや配置を決定し、クリニックの空間を最良の状態に整えることができます。
・クリニックのインテリアの選び方
クリニックの患者がリラックスできる空間をつくるためには、インテリアの選び方に注意が必要です。まず、空間全体の色に合わせた落ち着いた色合いを選んで、クリーム色や淡いグリーン、青などを取り入れることが重要です。
待合室の家具は柔らかな素材や快適なデザインを選び、座席間の間隔を広く取ることで、患者がくつろげる環境を作り出します。床に足がしっかりつき、背もたれのあるソファーが好ましいでしょう。長時間座って待ってもらう場合があることを踏まえ、なるべく座っていても疲れない座り心地の良いものを選ぶのが良いです。
また、空間内に自然要素を取り入れることもリラックスさせるのに効果的です。観葉植物や木製の家具を配置し、自然のリラックス効果を空間に演出します。緑を置くことで空間にマイナスイオンを与えるほか、デザイン性にも優れています。選ぶ際には葉の落ちない、日光の少ない場所でも育つ植物を選ぶようにしましょう。他にも、水槽などを置いて鑑賞魚を泳がせるのも待ち時間に飽きの来ない工夫になります。特にお子さんや小さい患者さんの来院も予想される場合にはこのような長い時間でも飽きさせないための工夫が重要です。
清潔感のあるデザインや、明るく清潔な印象を与える内装を取り入れ、安心感の提供にもつながるでしょう。
また、クリニックの個性や特徴を表現することも大切です。看板やロゴなどのデザインを工夫し、患者がクリニックの雰囲気や理念を感じ取れるようにしましょう。待合室からよく目につく受付などにロゴデザインを置くことで患者からの認知度も高まることでしょう。
・クリニックの照明の選び方
クリニックの照明を選ぶ際には、患者の快適性だけでなく、医療スタッフの作業効率や医療環境に適した明るさや色温度も考慮することが重要です。
まず、待合室や受付エリアでは、柔らかい自然光を模した照明を選ぶことが好まれます。このような照明はリラックス効果を高め、患者が待ち時間をより快適に過ごせるようにします。また、このエリアでは間接照明を使用することで、明るすぎず暗すぎないバランスのとれた光を提供することができます。逆に開放感のある明るい印象を待合室から出したい場合には全体照明を使うようにするのが良いでしょう。
一方、診察室や手術室では、明るくクリアな光が必要です。ここでは明るさと色温度に注目し、治療に適した明るさを確保するために白色光や自然光に近い色温度の照明を選ぶことが重要です。繊細な作業だからこそ手元が見えるのは重要ですよね。
また、照明器具自体のデザインも重要です。近年ではLED照明が一般的になっており、薄型でスタイリッシュなデザインの照明器具が豊富に揃っています。クリニックの内装と調和しつつも一工夫あるおしゃれな雰囲気を演出するために、照明器具のデザインにも注意を払うことが大切です。
照明の配光方向や明るさの調整機能など、照明器具の機能性も重視しましょう。クリニック内の光の環境を細かく調整し、患者や医療スタッフのニーズに合わせた快適な空間を提供することができます。
クリニックの内装工事費用
・クリニック開業のための内装工事費用
クリニックの開業のためには、坪単価30~50万ほどが必要とされています。
ただし、これは物件の種類や立地によっても異なる費用なため、あくまで目安として見るようにしてください。
また、自院の担当の診療科によっても費用は変わってきます。内装デザインを高級性のあるものにするのであればそれなりに費用もかさんでくるほか、医療機器を多く持つ必要のある内装でも然りです。予算をしっかりと検討したうえで内装工事を行うようにしましょう。
診療科別クリニックの必要坪数は下記の通りです。
内科 30~40坪
小児科 30~50坪
外科 50~70坪
産婦人科 30~40坪
皮膚科 30~45坪
一番低く見積もっても内装工事だけで900万はかかってくることがわかります。
・費用を抑える方法
内装工事だけでも1000万近くかかってきてしまうクリニックの開業。できるかぎり抑えられる費用は抑えておきたいですよね。
費用を抑える方法としてはポイントが3つあります。
・居抜き物件を使う
・設計と施工を同一業者に依頼する
・相見積もりをとる
・居抜き物件を使う
居抜き物件とは前の物件所有者が、まっさらでコンクリートむき出しの状態……いわゆるスケルトン物件のような状態にせず、以前の設備を残したまま退去した物件を指します。スケルトン物件に比べ、出回って売られている数が少なく、内装の間取りの自由度は低くなってきてしまいますが、以前クリニックであった居抜き物件であれば、ガスや電機などの設備だけでなく、医療機器も残っている場合もあります。こうした費用の削減だけでなく、居抜き物件であればスピーディーな開業が実現できます。さらに以前クリニックだったということもあり、開業許可申請が保健所からおりやすくなるというのも魅力の1つです。
・設計と施工を同じ業者に依頼する
設計と施工を同じ業者に依頼することは、医療施設やクリニックの開業において重要なポイントです。内装、外装、看板制作などを一括して依頼することで、費用を効果的に節約できます。
複数の業者に依頼すると、それぞれの業者から見積もりをもらい、その合計額がかさみやすくなります。しかし、同じ業者に設計と施工をまかせると、設計料が無料になる場合もありますし、工期も短縮されるのです。
さらに、設計者と施工者が同じであれば、意思疎通がスムーズになります。設計者は施工者の制約や要望を理解しやすく、施工者は設計者の意図を素早く把握できます。これにより、設計や施工のミスや食い違いが少なくなり、結果として作業効率が向上します。また、細かな修正や変更があっても、同じ業者内で進めることで円滑に対応できます。
さらに、一貫したデザインや品質管理が可能となります。同じ業者が内装、外装、看板制作などを担当することで、統一感のあるデザインや品質管理が行われやすくなります。これにより、医療施設やクリニックのブランディングやイメージを一貫して構築することができます。
以上の理由から、開業にかかる費用や工期を抑え、安くかつスムーズに進めたい場合は、設計業者と施工業者を同じにするのが良いでしょう。
・相見積もりをとる
相見積もりをとることは重要です。1社だけに依頼するのではなく、3社程度に依頼をすることをおすすめします。相見積もりは、複数の業者とのやり取りや見積もりの比較など、手間がかかる作業ですが、しっかりと行うことでさまざまなメリットがあります。
まず、相見積もりをすることで市場相場を把握することができます。複数の業者からの見積もりを比較することで、設備や工事の適正価格を把握し、適正な契約を結ぶことができます。
また、相見積もりを行うことで各業者の対応や提案内容を比較することができます。これにより、信頼できる業者や自分のニーズに適した提案をする業者を見つけることができます。
さらに、相見積もりをすることで工事の日程や進行予定を把握することができます。各業者からの見積もりには工事の予定や納期が記載されていますので、これを比較することで工事のスケジュールを把握し、適切な契約を結ぶことができます。
相見積もりは、業者選定の決め手にもなります。複数の業者の提案や対応を比較し、信頼できる業者を選ぶことで、より安心して工事を進めることができるようになるでしょう。
・資金調達の方法
内装工事をなるべく費用を抑えるものとしても、クリニックの開業に必要な資金は最低でも1,000万~と言われています。そこで使っていきたいのが公庫からの融資や補助金です。
公庫や銀行などから融資を受ける
クリニックを開業する際には、審査を通過することで公庫や銀行から融資を受けることができます。
公庫とは国が出資して設立された公的な金融機関のことです。公庫は銀行と比較すると審査が通りやすいことから、実績のない事業者でも資金調達が可能です。
発生する金利も銀行より抑えめな傾向があるため、融資を受けたいときには最初に公庫へ相談してみると良いでしょう。
一方、銀行は公庫より審査が通りにくく金利が高い傾向がありますが、公庫のように金利の値が決められていません。
信用性が高ければ、低利子で融資を受けられることもあります。付き合いの長い銀行がある場合は一度相談してみましょう。
また、公庫や銀行に融資を受けたい場合は、綿密な事業計画書を策定しておくことが大切です。
事業計画が明確ではない場合は、返済できる目処が立っていないと思われてしまい、融資を受けられないことも考えられます。
審査を通過できる可能性を高めるためにも、具体性の高い事業計画を設けておきましょう。
医師信用組合
地域の医師信用組合が提供するクリニック開業向けのローンというものもあります。この金融機関は、医師同士が相互支援することを目的としていますので、金利や返済期間などの条件が非常に有利であり、かなり心強い資金調達手段の一つです。
また、ここで得た資金は、クリニックの購入物件だけでなく、医療機器の購入、運転資金、自動車購入など、様々な用途に活用することができます。また、担保を要求されない融資も可能であり、連帯保証人が原則として配偶者のみであるため、手続きが比較的簡単です。
しかし、このローンを利用するには医師会や組合への加入が必須条件となります。さらに、県外への転出を行った場合には追加の融資を受けることができないなどの注意点もあるため留意しましょう。
補助金による支援を受ける
クリニックの内装工事を行う際には、要項を満たすことで利用できる補助金があります。
利用を検討している方は、ホームページで募集期間や補助対象経費などを確認しておきましょう。
事業再構築補助金
事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの感染拡大によって利益が低下した企業を支援するために設けられた制度です。
この制度を受けるためには、コロナ禍に対応するために事業を再構築する必要があります。
例として、整骨院として事業を続けていた企業が、新たに高齢者を対象にしたデイサービスを始める際などに申請することができるでしょう。
補助率と補助上限額は従業員数などによって決められており、条件をみたすことで100万円から8000万円の支援を受けることができます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、商工会議所が管轄する地域にて、事業を営む小規模事業者を支援するために設けられた制度です。
補助の対象は幅広く、内装工事を行うための費用や広告による宣伝費などが該当します。
支援の枠は多数設けられており、通常枠の場合は補助率は3分の2で最大50万円の支援を受けることができます。
医療施設等施設設備費補助金
医療施設等施設設備費補助金は、政府や地方自治体が医療機関や介護施設などの施設に必要な設備を整備するために提供する補助金の一つです。この補助金は、医療や介護の質を向上させることや、地域の健康や福祉に貢献することを目的としています。
具体的には、医療機器の導入や施設の改築、拡張、新設などに必要な費用の一部を助成することで、医療や介護の提供環境を整備し、より良いサービスを提供することができます。これにより、地域住民の医療・介護ニーズに応え、地域全体の健康と福祉の向上に貢献することが期待されています。
この補助金の申請条件や支給額、使途などは、政府や地方自治体の方針や施策によって異なりますが、多くの場合、設備の必要性や地域のニーズ、施設の運営状況などが考慮されます。
クリニックの内装工事における注意点
・スタッフの動線を確保できるようにしよう
患者さんの出入りの激しいクリニックだからこそ、患者さん、クリニックスタッフの動線はしっかりと確保しておきたいものです。スタッフの動線、患者さんの動線それぞれ考慮するようにしましょう。特にスタッフの動線、いわゆる「裏動線」を配置することで、患者さんにスタッフ同士の会話やあわただしい様子を見せて落ちつかない印象を与えるのを避けることができます。
手間はかかりますが、そういった細かな配慮から患者さんの信頼を得られるようにしていきましょう。
また、患者さんにとっても動きやすいような動線にしておくようにしましょう。診療科によっても異なりますが、車椅子で移動される方、妊娠中の方、元気盛りでクリニック内を走り回ってしまうお子様など。いらっしゃる方は様々です。それぞれの病院の特色に合わせて待合室と診療スペースまでの距離を狭めたり、通路を広くしたりなどの心遣いが大切です。
・トイレへの配慮
来院される患者さんが多いからこそクリニックのトイレはその分利用者が多いです。
一番目につきやすい待合室がどんなに綺麗だとしても、トイレにまで清掃が行き届いていなかったり、清潔感を感じさせないトイレになってしまいます。
女性が多く来院することが見込まれるクリニックであれば女性への配慮としてパウダールームを併設することや、お子さんも一緒に入れる広い造りにしたり。足の不自由な方が多いと見込まれるクリニックでは段差を無くし、手すりを付け、広々と使えるトイレにしたりと工夫をするようにしましょう。
トイレ自体の内装も清潔感を感じさせる白などの明るい色を基調としたものや、高級感のあるコンセプトのクリニックであればモダンに統一させた内装にするなど、デザインにまでしっかりとこだわれるとなお良いかもしれません。
・予算の設計
クリニックを開業する際、内装に魅力を求めるのは重要ですが、そのために全ての費用をつぎ込んでしまうと、開業後に予想外の財政難に陥るかもしれません。そこで、内装費用だけでなく、開業後にかかる人件費や医療機器の導入費用なども含め、総合的な予算設計が欠かせません。
クリニックの内装は集患に大きな影響を与えますが、そのためだけに予算を使い果たしてしまうのはリスクが高いです。内装費用は、開業後の経営を支える他の費用とバランスを取る必要があります。具体的な予算設計は、開業後にかかる固定費や変動費を考慮に入れ、内装費用にどれくらいの割合を割り当てるかを慎重に検討することが必要です。
内装には患者の印象や快適さを考えることも重要ですが、同時に医療スタッフの効率や機能性も考慮する必要があります。そのため、内装費用は単純に見た目や雰囲気だけでなく、医療サービスの提供に直結する要素も考慮して設計されるべきです。経営計画や将来の見通しを踏まえ、内装費用に適切な予算を設定することが、クリニックの持続的な成功につながる重要なステップとなります。
まとめ
ここまでクリニック開業のためのお話をしてきましたがいかがだったでしょうか。
予算設定をしっかりと行い、患者さんとスタッフが快適に利用できるクリニックを構築しましょう。その際には、複数の業者から相見積もりを取ることが大切です。相見積もりを取ることで、異なる業者間の価格や提案内容を比較することができ、最終的な選択において的確な判断が可能となります。
また、相見積もりを通じて、予算の相場や工事の進行予定など、様々なポイントを把握することができます。
内装工事を依頼する業者が決まっていない方は、内装広場までお気軽にご相談ください。
お客様のご希望をもとに、豊富な実績を持つ内装工事業者を最大3社までご紹介いたします。